- Amazon.co.jp ・洋書 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9780312948047
感想・レビュー・書評
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ずいぶん前に、「洋書ビギナーにおすすめ」的な記事でこの本が紹介されていたのをどこかで見て、ペーパーバックと一緒にオーディオ版(4枚組CD)とセットで買った。オーディオ版はジュリア・ロバーツの朗読ってことでそこに惹かれて。
しかし、その時はペーパーバックを駆け足で読んで終了。CDは1枚目くらいしか聴かず。
読んでいる途中で日本語訳(『ティファニーで子育てを』)も見つけて買ったにもかかわらず、それもほとんど読まないまま、まとめて片づけてしまった。
先日、引っ越しの荷造り中に発見し、例によって内容を忘れているので、どうせだから、きちんと日本語版も比較参照しながら精読しよう、と思って『英語学習モード』で読み始めた。
以前に読んだ時は「最初はすごくおもしろかったのに、途中からあんまり笑えなくなって、結局バッドエンド。後味が悪い」と思った記憶がウッスラとある。
でも、今回は、最初から最後までずっとすごくおもしろかった。後味も全然悪くないと思った。
いわゆるchick lit、つまり若い女の子向けの恋あり笑いありの軽い読み物なんだけど、ところどころに人生へのユニークな考察が差し挟まれていて、女の子向けという狭いターゲットのジャンルをはみ出している作品だと思う(もちろんいい意味で)。日本で言えば、少女小説枠にいた小野不由美や氷室冴子みたいな感じ?
笑いながらも何か胸にぐっとくるものがあって、最後は主人公と一緒にちょっと泣いてしまった。
ミセスXの「性格の悪さ」がリアルで秀逸。
最初はそれほど嫌な人じゃないんだけど、徐々に徐々に自己中心的で理不尽なふるまいが増えていく。
でも、それは、彼女が幸せじゃないから。
とにかく身勝手でムカつくキャラなのに、打ちのめされている姿を見ると、主人公同様、同情せずにはいれない。そのあたりのさじ加減、誰の人生にもある「酸っぱさ」みたいなものの描写とコメディ要素の混ざり具合が絶妙で素晴らしかった。
ミセスX以外にも、いろんな変な人が登場して、その描写が「あるある」と「ないない」の両極端のどっちかで笑えるのだけど、決して一面的に薄っぺらくは描かれていない。彼らのドタバタを通して、現代社会が抱える問題と、それに呼応した私たちのちっぽけな人生とが、物語の遠景として浮かび上がっていたりする。
あー、しかし、主人公ナニーの彼氏、H.H. (ハーヴァードの君)がイケメン過ぎてクラクラした。
ハーグ(国際司法裁判所?)でインターン!?
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の戦犯法廷が何ですって!?(この話はミセスXからのしつこい電話で中断され、聞くことはできない)
口説かれているナニーが羨まし過ぎた。
デートや電話をミセスXに邪魔ばかりされていたので、途中でフラれたらどうすんのよ、と本気で心配したが。
映画化されたものは最初に読んだ時に見たのだけど(『私がクマにキレた理由』)、全く気に入らなかった記憶しかない。本の方がだんぜんおもしろいです。
他には何も覚えていないので、もう一度YouTubeでいくつかのシーンを見てみた。
H.H. 役もナニー役も悪くないと思ったけど、でも、H.H. は長髪(顎くらいまでの長さのウェーブ)のイメージで固まっていたので、ちょっと違う、と思った。(はい、そんなことはどーでもいいですね)
CDは、ジュリア・ロバーツの朗読が聞きやすくて声も素敵で良いのだけど、このH.H. とのシーンは全てバッサリとカットされている。
確かに本筋からそれるエピソードだけど・・・それがないとなると、あまり聴く気になれないのであった。
日本語訳に関しては、今回は本気で全部、逐次的に細かく読んだが、それについては日本語版の方の感想に書きます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ソフィー系のトタバタ内容でサラッと軽快に読めました。
おもしろかったです。
【自主的に購入】 -
「私 がクマにキレた理由」という邦題で、やっと日本でも映画が公開。
スカーレットヨハンソンが主演。
彼女がセレブ宅で家政婦をするコメディです。
本国では2007年公開。