What Money Cant Buy

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  • Amazon.co.jp ・洋書
  • / ISBN・EAN: 9780374983918

感想・レビュー・書評

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  • 色々なものやサービスがお金で売買される世の中になった。経済的にみればそれは社会的な効用を最大化させ、合理的な行動に見える。しかし、世の中には、お金で買えないものもあり、またお金で買うべきでないものもある、と言うことを多くの事例を挙げて記されていた。

    印象的だったのは下記。

    血液。有償にするか無償にするかにより、提供者の意図が全く異なるものとなる。経済的観点からは有償にするのが合理的である。しかし、ある研究では、有償とするとドナーの数が減るとの結果だった。貧しい国では血液を売買対象とする国もある。しかし、有償にすると、貧しくない人は提供しなくなる。無償にして助け合いのモラルを重視して提供を求めた方がドナーが増えるし、そうすべきものだと筆者は考えている。

    贈り物。効用最大化のためにはお金をあげることが最も効果的。欲しくないものをあげてしまう損失を防げるから。だけれども、恋人、友人、家族の間では、経済的な効用最大化とは異なる価値が贈り物にはあり、お金が最も良いプレゼントとはならない。それは経済的な観点だけでは説明できない、心情的な価値である。

    列の割込み。長い行列ができている時にお金を払って列に割り込む行為は、経済的観点からは合理性がある。並ぶ時間を削ることに価値があると考えた人はその価値の分だけ支払えばそれだけ付加価値が高まる。しかし、モラルや倫理や平等の観点からはそれは推奨できないと筆者は紹介している。

    ダフ屋。チケットは一律料金であることは経済的に合理的ではなく、高く払ってチケットを手に入れたい人がいればその高い値段で売るべきで、ダフ屋はそれを可能にする役割を果たしており、経済的観点からは合理性がある。しかし、フェアネス、モラル、という観点からは推奨できないと紹介している。









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