- Amazon.co.jp ・洋書 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9780679730675
感想・レビュー・書評
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八重洲のブックセンターで、Saidの「Out of Place」と、現代思想の特集号「サイード」を買った。
これから、中野で観る、サイードをめぐるドキュメンタリー
『エドワード・サイード OUT OF PLACE』の予習のつもりだった。
http://www.cine.co.jp/said/
サイードのオリエンタリズムはいつか読みたいと思いつつ、いまだに読んでいない。「知識人とは何か」は、拾い読みだけれど、とても誠実な知性、というイメージを持った。パレスチナをめぐる、サイードの論説は幾つも読んだことがある。deltaには、なかなか理解が難しかったが、deltaが日本で思っている以上にパレスチナの情勢は複雑なのだろうな。
ドキュメンタリーは観たかったし、八重洲のブックセンターでサイードの本を見てたのだが、洋書のコーナーでペーパーバックで売っていたのを見つけて買った。
中野にむかう、中央線の中で読み始める。
サイードの生まれそだった文化的環境は、かなり複雑なものらしい。アラビア人のキリスト教徒、という存在が、deltaの想像を超えているし、アラビア語と英語の二重の言語生活を幼少から送り、そもそもEdwardという英語名は、”本名”なのだと
言う。英語風に名前を表記しているだけなのかと思っていたのだが。アラブ風の名字に、英語風の名前、という出発点からして、サイードの二重の人生は始まった、と言うように自己分析している。
まだ、四分の一くらいしか読んでなくて、サイードはまだローティーンでカイロで教育を受けているところなのだが、サイードは、英国人の子弟が学ぶ学校で、そこで、ほとんど唯一のアラブ人で、英語で教育を受けてたようで、それも1940年代の話である。それは、どうしたって、小さい頃からいろいろ考えちゃうだろう。
英語は苦手なんで、どこまできちんと理解してるかアヤシイ限りだが、この本は面白い。相当に面白い。サイードの少年時代としても面白いし、当時の中東の学園生活なんてまったく知らなかったのだが、それもうかがえて、とても面白い。映画を観る前に、この本をパラパラとでも眺めておくことをオススメする。文章はdeltaでも読めるくらいに平易である(たしか、翻訳もでていたと思う)。詳細をみるコメント0件をすべて表示