The Glass Castle: A Memoir

著者 :
  • Scribner
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本棚登録 : 30
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780743247542

感想・レビュー・書評

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  • 作者の幼少期(3歳でホットドッグを一人で茹でていて重症火傷を負ったシーンから話は始まります)からライターとなった、ほぼ現在までの回想録。

    誰に話しても絶対に信じてもらえないであろう環境で4人兄弟の二女として60-80年代のアメリカで育ってきた著者。
    砂漠にガラスの城を建てるという大きな夢を持って、知識も豊富だが、アルコール依存症で家族を養うことのできない父。ヒッピーのような自由すぎるマインドを持ち、知識や教育理念がありながらも、母親の責を果たせないアーティストの母。
    何が正しく、何が間違いなのか。人間とは、家族とは、社会とは、本当はもつれた糸のように複雑なもの。

    この本で好きな所はナレーターである少女(著者)が幼児期に始まり、就学年齢となり、思春期、そして成人、と時系列で進む物語にそって、年齢ごとの視点や言葉遣いがスムーズに移行していくところ。子供の窓の大きさで語られる事柄を読み手の大人にやるせなさを与える。

    著者が味わった超が二つ三つ付く貧困はとても想像しがたいものだが、そのエキセントリックなセッティングの中に、大人に近づく子供、子供に追いつかれる大人、
    誰もが家族として経験するであろう葛藤・焦り・悲しみ・喜びが巧みに織り込まれている。

    過酷な環境でも、所々にユーモアもある。美しさもある。

    Finally, I am happy for Jeannette Walls for being
    married with her husband who says such a sweet
    thing.

    He said, "The scar meant that I was stronger than
    whatever it was that had tried to hurt me."
    -The Glass Castle, Jeannette Walls

    最後に裏表紙にあった書評から引用。本当にこの通りの素敵な本です。

    "Jeannette Walls has carved a story with precision
    and grace out of one of the most chaotic, heart-
    breaking childhoods ever to be set down on
    the page. This deeply affecting memoir is a triumph in every possible way, and it does what all good
    books should: it affirms our faigh in the human
    spirit." -Dani Shapiro, author of Family History

    "The Glass Castle is the saga of the restless, in-
    domitable Walls family, let by a grand eccentric and his tempestuours artist wife. Jannette Walls has
    survived poverty, fires, and near starvation to
    triumph. She has written this amazing tale with
    honesty and love." - Patricia Bosworth, author of
    Anything Your Little Heart Desires and Diane Arbus: A Biography

    "It's funny and sad and quirky and loving."
    - Dominick Dunne, author of The Way We Lived
    Then: Recollections of a Well-Known Name Dropper

  • 今はVirginiaにジャーナリスト・作家として住んでるJeannette Wallsっていう女性の幼少期からNYでキャリアを積んでいくまでの回想記。本を読む前は、すごく過酷な子ども時代を過ごした事実が書いてある…ってことだけは知ってて、てっきり両親から虐待を受けたりしてたんだと思いながら読み進めていくと、実際はそうではなく。子ども達のことを自分達なりに愛してはいるんだろうけどあまりに自由奔放すぎる両親のせいで、小さい頃から両親に振り回されて姉・弟・妹と一緒に夜逃げを繰り返し、貧困のせいで学校のゴミ箱から残飯を拾って飢えをしのがないと生きていけないような環境に置かれながらも、すごく逞しく育っていく子ども達の姿がとても印象的。自分の両親が彼女の両親のようだったら…どんな生活になるのかなんて想像もできないけど、でも本に出てくる両親は自分達の教育理念を持ってたんだろうし、実際に2人共、学校の先生なんて目じゃないくらいたくさんのことを知ってて、子ども達にほんとにいろんな事を教えてたみたい。そして子ども達はそんな教育を受けてたおかげで、学校に通うほかの子ども達よりもずっと頭が良かったし、自分達の考えもちゃんと持ってたとか。アル中やニグレクトしちゃう点は許されないけど、ある意味社会の常識に囚われない教育をしようとしてた作者の両親の姿は、ちょっと羨ましい気もする。でもやっぱり、幼少期に自分がどんな環境で育つかによって、道を外れる・外れないに関わらず今後の人生に大きく影響するっていうのは、この本を読んで改めて実感…。親って偉大です。

  • ノンフィクション、なんですよね。非常にインパクトのあるストーリーでした。親子の縁ってどこまでも切れない。悪気がなくても許される範囲を超えている不完全な両親たちと、たくましく生きる子供の姿。一度は親を捨てるのだけれど、捨てきれないのもまた仕方のないことなのか。

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