- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000003148
感想・レビュー・書評
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自分は自称無宗教ですけれど、神さまを信じるすべての人には救われるチャンスがあってほしいと願っています。信じる教えに従ってより良く生きようとしているのですから。
その神さまの名前や教えの内容が違っても、同じ神さまで、最終的には信じる者みんな救われるのなら、それは希望だと感じます。
お互いに尊重できたらいいのに……。そうそう簡単な話ではないのでしょうね。
あと、やはり、ややこしくしているのは人間側のような気がします……。神さまはもっとシンプルなお考えだとおもうのですけれどねえ……。
神さまを信じ、神さまと他者を愛す。たいていの宗教がそう言っているような気がするのですけれど、うまくいかないのは何故でしょう。
(以下、読みながら綴った感想)
2022/10/15 p.III-11
p.2
“神学には、「教義学」と「問題学〈1〉」という名称が適切な、”
注釈があるタイプの文章ですか……。
「日本の読者に」と「まえがき」を読んだ時点で堅苦しいとおもっていましたけれど……。なかなか、読むのに時間がかかりそうです。
p.3
“人間臭いところが多すぎて、いつもお互いに猜疑心にとらわれがちであった。”
宗教をややこしくしているのはいつも人間ですね。
神さまはそんなことを望んでいないのでは? と感じることがあります。より良い人生を送ってほしい、まわりの人(そして神さま)を大切にしてほしい、とおもってらっしゃるのでは……?
p.3
“礼拝は退屈そのものであった。”
あ、クリスチャンでも、退屈と感じるのですね。
p.5
“受肉し、聖女から生まれ、”
嗚呼……この“受肉”ってVtuber界隈で聞いたことのあることばですけれど、元ネタはこちらでしょうか。
p.18
“〈7〉イエスの教説にもとづき、いかなる性格のものであれ、戦争を絶対悪として徹底的に否定し、キリスト教徒として兵役に服することを拒否するという立場を堅持する人々の集まり。”
その考えは素晴らしいです。戦争はロクなものではありません。
この考えを尊重し、強制参加させられないのですね。それもまた、素晴らしいです。実際のところはどうだかわからないですけれど。
p.7
“理性的あるいは道徳的考察によってその信念の体系の多くの要素を修正したり切り捨てたりする方向に、ほぼ確実に向かわせられるであろう、”
(中略)
“深められた生活・学識・思考に照らして、それは確実に変化すべきものなのでもある。”
変わって、いいのですか……!
根本的なところさえ押さえておけば、そのほかの変化は自身の成長ととらえるのでしょうか?
p.8
“自分自身でつかみとった物の見方が、昔の偉大な人物によってすでになされていた見方であったと知ることは、勇気づけられるものである。”
それは、感じます。
だから本を読むのは楽しいです。自分だけではない、と心強いです。
p.11
“諸々の偉大な世界宗教を唯一の神的実在に対する人間のさまざまに異なる応答として見ることになる。そしてこれらの異なる応答は、異なる歴史的・文化的状況の中で形成されてきたところの、異なる理解の仕方を例示していると言えるのである。”
この文章、いいですね。“偉大な世界宗教”と、キリスト教以外にも敬意を払っているところが特にすてきです。
神さまはいて、その理解の仕方が違うだけ……ということですね。神さまはいるかいないか、という点では見ていないのでしょう、彼らは。みんな、違う神さまかもしれないですけれど、神さまがいる、と感じている点は同じですからね。だからこそ、宗教を信じるのでしょうから。
その点は日本人の多くの方と、スタート地点が違う気がします。
2022/10/16 p.12-27
p.27
“現に見ている兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することはできない。”
そりゃそうですよね。どちらも愛するべきで、どちらかだけではダメなのでしょう。
2022/10/17 p.27-34
2022/10/18 p.34-62
p.37
“その約半数がこの国で生まれ、この国以外に故郷を持たない人々であるという事実”
ご先祖さまが住んでいた土地は違うところかもしれないですけれど、生まれ故郷が同じなら、十分仲間だとおもいますけれどね。よそ者って感じはしません。
p.38
“この政策を主導するナショナル・フロントの中核には、あからさまなナチス哲学があり、”
ナチス……って、そんなに良いものなのでしょうか? こわいイメージのほうが強いです。
p.43
“英国の子どもたちは世界中の黒人を野蛮人として軽蔑するように教育された。”
こういう、教育の悪用はどうなのだろう、とおもってしまいます。けれどきっと、当時の先生たちは、それが良いことだとおもっていたのでしょうね……。
かわいそうに。子どもたちは純粋にそれを受け入れてしまうでしょうし、一生その考えはこびりついてしまうでしょう。
p.48
“教会が英国の社会生活に対してなしうる独自の貢献”
教会って独特ですね。政府や警察や世間の声とは離れて、人種や肌の色で判断せず、人としてどうすべきか判断するのですね……。
それは当たり前になるべきことですけれど、残念ながら、人の差別意識ってなかなか変わらないものですから。一定の距離を置くことができるのは素晴らしいです。もちろん、教会内でも個人差はあるでしょうけれど。
p.60
“絞殺されたり、火刑に処せられた。”
そんな……。信じる内容は違っても、神さまを信じている者同士なのに……。
どうしてそんな酷いことができるのですか。
p.62
“一方で社会生活を精神的に向上させながら、他方で暴動や戦争という最悪の習慣を許している。”
許していることになるのですか……。それを許しているのは神さまですか? 人間の勝手な暴走ではなくて……?
まぁでも、そうですね、神さまは人間の愚かなところも許してくださる存在なのでしょう。
宗教って、たぶん、悪いものではないはずなのですけれど……。争いに発展してしまうところは、こわいです。
2022/10/19 p.62-65
p.63
“唯一の神の名において、同時代の多神教をすべて排斥せよ、と強要されたのである。”
ほかの神さまは神と認めないのですね……。争いの種になる思考です……。
p.64
“週の金曜日には集会の祈りに参列すること。”
イスラム教では金曜日なのですか。キリスト教では日曜日に教会に行くそうですけれど。
このあたりも宗教によって違うのですね。
p.64〜
“ヨーロッパではイスラム教は約二〇〇万の信徒を擁して、今では大陸第二位の大きな宗教にのし上がってきている。”
そんなに信者が多い宗教だとは知りませんでした……。宗教に関して、あまりにも無知です、わたしは……。
2022/10/20 p.66-70
2022/10/22 p.70-112
p.89
“自ら著作しなかったが、門弟や友人によってその言行が集録されている。”
キリスト教の聖書も、そうですよね……?
ご本人が残してくださったらいいのに……。ほかの人が関わると、どうしてもその人のフィルターがかかってしまうので、残念な気持ちになります。
p.73
“マハトマ・ガンジーのような近年の宗教的人物も含む。”
ガンジーさんも“神的化身”なのですか?
その……“神的化身”は、神さまなのでしょうか? それとも、神さまの遣いの方なのでしょうか?
軽く調べてみました。
化身、は別の姿を指しているようなので、神さまではあるのですね。ふむ……。
例えばガンジーさんは、ご自身のことや神さまのことを、どう考えていたのでしょう? 気になります。
p.75
“世界がキリスト教に改宗する”
……残念ながら、その未来はないです。断言します。
それって、人の多様性を否定しているように感じてしまいます。大切なのって、同じ教えを守ることではないとおもいます。
他者を思いやって、大きなご迷惑をかけずに、より良い人生を歩むことのほうが大切ではないですか? その生き方がどんなものであれ、他者が否定してはいけません。ご本人の自由です。
p.82
“中等学校では「可能なかぎり生徒自身の選択による」一つの宗教を主専攻にし、他の二つの宗教を副専攻にするコースを定めている。”
わぁ、この環境、羨ましいです。
いろんな考えに触れられるのは良い経験だとおもいます。そのときは面倒かもしれないですけれど、思考が広がるのではないでしょうか。
p.93
“人が信じてしたがう宗教は、その人の出生場所によって定まる”
それはそうですよね。ご家族が信じていたら、そういうものだ、と受け入れます。
p.97
“いくつかの礼拝形式のなかで行われていることは本質的に同一である”
神さまの呼び方が違うのは、人びとの言語が違うようなものではないのですか? 神さまがいるってことはみんな信じているのですから。身についていることばが違うように、身についている教えが違うだけ。
想いは基本的に、同じだとおもいます。みんな、しあわせに暮らすことを望んでいる気がします。
p.103
“万物の創造主である唯一の神が存在するということ、”
(中略)
“諸々の偉大な世界宗教の信仰者たちは、事実上、この唯一の神を礼拝している”
嗚呼やっぱり、神さまはいるってところは共通点ですよね。その見方が違うだけで。
p.110
“諸信仰の宇宙では神が中心にくるのであって、キリスト教でもなければ、他のどの宗教でもないという事実に到達しなければならない。”
(中略)
“すべての宗教はそれぞれ異なる方法によって、この神を反射しているのである。”
みんな同じ宗教を信じるなんて考えは古い、と言い切る本ですからね。“事実”とまで言ってしまうのですね。
面白いです。
これを、特定の宗教を信じている方が読んだら、どんな気持ちになるのでしょう? どう受け止めるのでしょう? それとも拒否するのでしょうか。
2022/11/01 p.112-114
p.113
“イエスが独自な神意識を抱いて「子なる神」であることを主張し、その結果、「受肉」の教理はイエス自身の意識と教えに確固たる基礎を持つものとして信じられる”
(中略)
“ところが、今日ではもはやこのようには一般に主張されず、また実際にそうではなかったと広く考えられている、”
え! 考えられていないのですか!
このエピソードって結構重要なものではないのですか?
2022/11/03 p.114-140
p.116
“キリスト教史においては、その意味を文字どおりの事実的なことばで説明しようとしない場合には、いつでもその神学者は異端者と見なされた。”
嗚呼……だから、受け入れられないのでしょうか。神さまって存在をさまざまな名前で呼びさまざまな方法で進行しているのでは、って説を、クリスチャンの方は。
だから、いつも、聖書を引用して伝えるのでしょうか。意味合いがずれてはならぬ、と。
p.121
“人間のタイプが多種多様であるかぎり、礼拝のかたちも多種多様であり、また神学的な強調点もアプローチも多種多様であっていいだろう。”
これには同意します。世の中にはさまざまな方がいて、それぞれの考えがあって当たり前なのですから。
違いを尊重し合えるといいですね。
2022/11/07 p.140-152
p.149
“教会の神学は、もっぱらヨハネによって書き直されたイエスの教えにしたがってきた。しかし、それは書き直された(、、、、、、)ものだったのである。なぜなら、それより古い「共観福音書」(マタイ、マルコ、ルカの三福音書)では、イエスの教えの中心はイエス自身でなく、神の国だったからである。”
え、やっぱり、ややこしくしているのって人間なのでは……?
2022/11/10 p.152-182
p.167
“この信仰を受け入れるから、あるいは受け入れないからといって、私の人生にイエスの影響が大きくもなったり、小さくもなったりするものなのであろうか。”
(中略)
“そういうものだとは信じられない。”
これには、同意します。
どの宗教を信じていてもいいんじゃないか、とこの本を読んで強く感じます。みんな、神さまがいることは同じ前提なのですから。より良く生きようとしている気持ちは同じなのですから。
p.169
“神の実在を信じる者はみな、来るべき時代にも神は神自身の方法で人類とともにあることを信じるであろう。”
えぇ、そうですよね。
p.181
“特定の信仰告白の立場からすると、意味のある世界の中心にいるのは自分自身で、他の信仰はどれもその周辺に散在しているものでしかないという印象を抱くが、世界史的観点からすれば、信仰には異なる群れがたくさんあることは明らかで、その各々の群れに集まる人々はそれぞれ自分たちが独自の中心をなすという同じ印象を抱いて生きているからである。”
そりゃ、ご自分が信じているものが一番って思いたいのでしょうけれど、視野が狭くなってしまうのは何だかなぁ……と思います。自分と違う人のことを尊重できたら、良いのに。
2022/11/11 p.182-最後詳細をみるコメント0件をすべて表示