NOでは足りない――トランプ・ショックに対処する方法

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000018258

感想・レビュー・書評

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  • 2017年の作。さまざまな政策に対して、NOを言うだけでは押し切られてしまう。押し切られないようにするためにはどうしたら良いのか。この頃からすでに複数の社会運動団体の結束、市民によるマニフェスト作りを実践している。
    ボトムアップ、草の根レベルの運動がつながっていく重要性がトランプ政権下で明らかになった。これからの社会を良くするのは市民参画型の運動であるということがよくわかる。出来るだけ多くの人に知ってほしい。

  • 読み応えのある力強い本だ。大統領職までも利用するトランプの家族ぐるみのブランドマーケティングを痛烈に批判。大のプロレスファンだそうで選挙戦全体でプロレスの手法を使ったというところなど興味深い。
    トランプが大統領になった結果生じたリスクとして、医療保険を失うことになる人々、人種差別的攻撃の標的となる人々、移民政策で引き裂かれる家族、子供を産むかどうかの権利を奪われる女性たち、権力の最上部で常態化・矮小化される性的暴行などがあげられている。気候変動対策の後退ももちろんリスクで、時間の猶予からするとこの問題が最も重大だろう。このほかの様々な問題も含めて、すべての問題がカネもうけを第一とする考え方に起因していると著者は言い、それぞれの問題に優先度をつけることなく、すべてを根本的に解決することができると説く。世界中の中道政党のエスタブリッシュメントでは多少の改善は可能かもしれないが全体的な解決にはならないとして、根本的な解決を論じている。そしてこうした策を支持する人は多いという。
    私の印象としてはそうではないけれど、カナダ国内だけなのだろうか。あるいはマスコミが報道しないからなのか。著者は、NOというだけでなく、将来のビジョンを示す必要があるとして、皆がYESと言える考え方を提示する。実際に会議を組織してリープ・マニフェストを作成してしまう行動力がジャーナリスト兼アクティビストである著者の真骨頂だ。この会議が大いに盛り上がった様子に希望がわいてくる。
    だが、この本は2017出版だ。当時もう時間の猶予はなかったというのにウクライナ戦争で地球環境は大きく後退してしまっている。会議のときの熱気は続いているのだろうか?

  • 20/07/31。
    9/25やっとこさ読了。

  • ふむ

  • 東2法経図・6F開架 312.53A/KL4n//K

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著者プロフィール

1970年、カナダ生まれのジャーナリスト、作家、活動家。デビュー作『ブランドなんか、いらない』は、企業中心のグローバリゼーションへの抵抗運動のマニフェストとして世界的ベストセラーになった。アメリカのイラク戦争後の「復興」に群がる企業の行動に注目したことがきっかけとなった大著『ショック・ドクトリン――惨事便乗型資本主義の正体を暴く』は、日本でも多くの読者に受け入れられた。『これがすべてを変える――資本主義 vs。気候変動』は、「『沈黙の春』以来、地球環境に関してこれほど重要で議論を呼ぶ本は存在しなかった」と絶賛された。2016年、シドニー平和賞受賞。2017年に調査報道を手がける米ネット・メディア「インターセプト」に上級特派員として参加、他に『ガーディアン』『ネーション』などさまざまな媒体で記事を執筆している。

「2019年 『楽園をめぐる闘い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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