- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000022316
感想・レビュー・書評
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伊藤野枝については瀬戸内寂聴さんの「美は乱調にあり」「諧調は偽りなり」で読んで、その世間の一般常識など蹴散らして猪突猛進に自分の行きたい道を突き進む生き方に一時期夢中になり、ある意味憧れもした。なのでこの本の作者が心酔するが如く筆が躍る様に野枝の生き様を追う姿にとても共感した。ただ野枝の残した文のその思想を作者の言葉で噛み砕く箇所はとても分かりやすく説明されて納得し有り難い所と、余りに過激な言葉を選んで使っていて私にはちょっと腰が引ける所もあった。
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大杉栄の恋人だった伊藤野枝の評伝。とにかく野枝はわがままで、やりたいことをやりたいだけやっていくんだけど、それがすごくかっこいい。極端だから敵も多かっただろうし、若くして殺されてしまうけれど、こんなに堂々と言いたいことを言った人間というのはなかなかいないと思う。お金がなくったってなんとかなるという楽観的な考えが、権力や金に媚びない強さの源流なんだということを改めて認識した。
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「資本家にたよったり、カネをかせいだりしなけければ、生きていけないという感覚をふっとばす。自分のことは自分でやる、やれる。それを行動にしめすことがだいじなのである。」
人生は暇つぶし、という人もいるが、暇つぶしは暇つぶしでも、全力で、濃い暇つぶしをしたい、と思う。 -
ノンフィクションや伝記は苦手なのだけれど、某番組で窪美澄さんがおすすめしていて、興味がわいて読んでみた。
書いた方が私と年齢が近いこともあったと思うが、筆者がとにかく野枝という人を徹底して「すげー!!かっけー!!マジ最高!!!」ってなテンションで書き上げている。
彼女みたいに熱烈な感情をもって生きることはできないし、全てに賛同するわけじゃないけど、こんな魅力的な人近くにいたら多分ひっそり応援してしまうだろうな。
今までよく知らなかった時代の活動を知ることもできたし、とても魅力的な人のことも知ることができた。
この文体は好き嫌いが分かれるところかと思いますが、私のように普段ノンフィクションあまり読まない方は読みやすいと思います。 -
衝撃をうけた。こんな女性がいたことを歴史で教えるべきだ。学生の頃に知っていれば、人生が変わっていたかもしれない。思想抑制され殺されてしまった。生きていて欲しかった。私たちは世の常が正しいと信じさせられているんだな。奴隷になっていること、はっきりわからせてもらえた一冊となった。おすすめしてくれた三浦しをんさんに感謝。
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確かダヴィンチで見てチェックしていた本。
でも伝記だし難しいかな?と、図書館で見つけパラパラ読みしたら、筆者の勢いのある文体にグイッと引き込まれた。
お金がなければもらえばいい。
好きなことだけしたい。
美味しいものが食べたい。
好きな人とセックスしたい。
自分の欲望に忠実に我儘に生きた伊藤野枝という女性の生涯に、
驚かされたり納得したり感化されたり。
特に野枝の
「二人の人間がどこまでも同化して一つの生活を営もうと努力する。こんなものが真の恋愛だと信ずることはできません。」
筆者の言葉を借りると
「(セックスして)ひとつになれても、ひとつにはなれないよ」
っていう考え方。
この間読んだ『異類婚姻譚』を思い出した。
あれを読んだ時に感じた恋愛の理想の形。
ハチャメチャでワガママで驚かされることの多い野枝だけれど、
自分の考えと通じるところがあるのが嬉しかった。
100年前にこんな進んだ考え方の女性がいたなんてすごい。
今の女性が読んでもハッとさせられる事ばかりだと思う。
学者さんが書いてるのに、全然難しくなく、むしろ面白く読める本だった。
にしてもこの筆者の方、
章の名前に
「人のセックスを笑うな」とか
「ひとつになれても、ひとつにはなれないよ」とか付けてて、
あの映画とかあのアーティストとか知ってるんだろうなぁ、って面白かった。 -
アナキスト伊藤野枝の評伝、に近いもの。
語り口には戸惑ったが、途中でそうかこれはファンブックなんだ!と気づいて読みやすくなった。
誌上バトルの辺りなど、肩入れし過ぎもいいところだが、ファンブックだからね!ファンならこうなる!
ミーハーな熱は好きなので面白く読んだが、最期は辛い。
伊藤野枝と大杉栄がどんな思想を持っていようがこんな殺され方をしていいはずがないのももちろんだが、たった6歳の子供までむごい殺され方をする、その後押しを国がしたようなものだ。
今の日本が日本なだけに、過去のことと振り切れずに頭にずっと貼り付いている。
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○
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なんや知らんエネルギー満タンな本だった。伊藤野枝のギラギラした生き様に対して嫌悪感を抱いたりみじめになったりバカにしたり憧れたり。
自分がどんだけがんじがらめにされているか、無自覚になってるか、どんだけ無駄にパワー出し惜しみしてるかみぞおちにジワジワきた。生き切らないと。
型にはまらない砕けた文体は野枝のハチャメチャ感を増幅させるけど、時々どこまでが野枝の言葉や考えでどこまでが作者のか分からなくなるのがむむーん。そのカオス感も含めて伊藤野枝、という表現なんだろうか。 -
話はすごく面白かったけど文体が好きじゃない