ロボットにかける夢: 知と身体の調和をめざして (岩波科学ライブラリー 72)
- 岩波書店 (2000年3月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000065726
作品紹介・あらすじ
かつての産業ロボットに替わって、むしろゲームプレイするロボットやペットとしてのロボットがいま注目されている。人間や動物とほとんど同じしぐさをするロボットにわれわれはなぜ感動するのか。もともと人とは対立物であった機械に、このような感情移入をするのはなぜなのか。また、将来の医療や介護に役立つ未来のロボットをつくる上で、何がもっとも重要になるのか。長年システム制御の研究に携わり、内外の研究をリードしてきた著者が、このようなロボットの問題の背景にある技術とそれを支える哲学との関係について、思いを語る。
感想・レビュー・書評
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ロボット工学の第一人者である著者が、現在のロボット工学が取り組んでいる問題の地平について解説している入門書です。
著者は、「哲学の目標を人間の理解とするなら、ロボティクスこそが哲学となり得る」と語っており、ロボット工学の観点から人間の知性や身体にアプローチするためのさまざまな切り口が示されています。具体的には、ドレイファスとサールのAI批判の検討や、チューリング・マシンの初歩的な説明にもとづく人間と機械の思考にかんする問題提起、さらに人間が指で物をつまむ動作をロボットによって実現するための方法を説明することで、人間の身体的な知の解明に向けての研究の方向性などのテーマがとりあげられています。
テーマが多岐にわたっていることもあって、一つひとつの問題について概観を得るための十分な説明がなされているとはいいがたいように感じましたが、ともあれロボット工学でどのようなことが問題になっているのかということを、おおまかに把握することのできる内容になっていると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
勉強になりました。