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- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000073196
感想・レビュー・書評
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ヒビンズ夫人が気になりすぎる。
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作者がこの物語を書くまでの経緯を綴った、冒頭の「税関」でまずニヤニヤ。こういうメタ視点とか他者と同時に自分をもおちょくるひねくれたユーモアとか、「意地の悪いインテリの文章」ってかんじで嫌いになれない。ここは物語の内容さえわかればよいという場合には読まなくても支障はない部分なのだけど、「作者を知る」上ではとっても大事なところなので、これから『緋文字』を読むという方には唯一この「税関」が載っている完訳版をお薦めします。
本題のヘスター・プリンの物語については、女権拡張の声が挙がりはじめた時代の動きを察知して「新しい女性」像を鋭く描きだしてはいるものの、結局根っこの部分では作者はその「新しい女性」を恐れているのね、ってところでガクッとくるかんじかなと。保守的な体制に批判的なのは明白だし進歩的な面も見受けられるけれど、「女性」に対する眼差しは複雑で厄介なもので、読んでてちょっと疲れた。
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