- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000107426
感想・レビュー・書評
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『岩波講座 文化人類学〈第2巻〉 環境の人類誌』
編者:青木保、梶原景昭、清水昭俊、内堀基光、小松和彦
執筆者:秋道智彌、市川光雄、嘉田由紀子、葛野浩昭、斉藤尚文、寺嶋秀明、福井勝義、堀 信行、渡邊欣雄 (五十音順)
装丁:坂川栄治
Cove rphoto: ©NNP
【目次】
目次 [v-vii]
序 新たな人間・環境学への視点[福井勝義] 001
一 環境への視点 003
二 環境への人類学的アプローチ 006
三 環境研究における自然系・人文社会系の融合の可能性 008
注 009
参考文献 010
第一部 人間は環境をどのように把握するのか 011
1 思想がはぐくまれる環境認識[渡邊欣雄] 013
一 はじめに――普遍性なき自然と文化 015
二 風水思想をめぐる環境認識――李亦園の東洋理論から 019
三 都市形成における環境判断――北京城の例 025
1 都市計画だけで都市は建つか
2 八臂毘沙門天城の伝説
3 元・大都城の環境判断
4 明・北京城の環境判断
四 おわりに――自然と文化のあいだ 032
注 035
参考文献 036
2 都市化にともなう環境認識の変遷――映像による「小さな物語」[嘉田由紀子] 041
一 「環境」問題と「環境問題」 043
二 環境認識とはなにか?――クラブサンドイッチからハムサンドイッチへ 045
三 都市化と近代化 048
四 環境認識の変化を語る写真資料 049
五 都市化と環境認識――見えなくなった水の世界 052
六 「生きる力がみなぎる環境とは? 064
七 「生きる」場での「小さな物語
」 072
参考文献 074
第二部 環境と人間の相互関係 077
3 風土の三角形――生きられる「場所」の誕生[堀 信行] 079
一 はじめに 081
二 環境変遷の中の人類史概観 082
三 「風土の三角形」――生態と文化の共生のさらなる展開 088
1 「場所」を考える視点
2 自然生態複合系と社会文化複合系の共生軸
3 「場所」の誕生と仮称「風土の三角形」
四 方名の風土性と「自然の力」を内包する「場所」 096
1 「場所」の条件と言語化に対する若干の補足
2 象徴化および象徴作用に関わる「自然の力」について
五 おわりに――風土的思考に託して 101
参考文献 104
4 環境の持続的利用のイデオロギー ――狩猟採集社会における人と自然との関係[寺嶋秀明] 107
一 「持続性」の問題点 109
二 エコロジカル・レベルにおける環境と人間とのかかわり 112
1 動物と環境
2 人間と環境
三 シンボルと平等性と環境利用 118
1 自然界とシンボル
2 家族・共同体・平等性
四 人と自然と社会原理 128
参考文献 131
5 環境をめぐる生業経済と市場経済[市川光雄] 133
一 はじめに 135
二 市場経済と生業経済 140
三 生業経済による環境利用の特徴 142
1 自然と人の共存世界
2 「豊かな社会」の過少生産
3 威信経済の影響
四 市場経済による生業経済の変容 151
五 持続的環境利用は可能か――市場経済と生業経済の接合の問題 155
参考文献 159
第三部 環境危機のコスモロジーとリアリティ 163
6 共有資源をめぐる相克と打開[秋道智彌] 165
はじめに――生物資源と人類学 167
一 共有資源をめぐるしきたりとその展開 169
1 資源の共同所有
2 入会の制度と生態
3 スイスの牧草地と日本の牧畑
4 日本の共同漁業権とインドネシアのサシ(sasi)
二 共有資源をめぐる紛争と調停 179
1 パプアニューギニア・マヌス島の裁判と慣習
2 東部インドネシアにおける資源紛争
おわりに――新しい共有思想にむけて 183
参考文献 185
7 環境の「近代化」と先住民族の生存――北欧の先住民族サーミを中心的事例に[葛野浩昭] 189
一 民族的遺産としての環境 191
二 領域国家化という環境の近代化 194
1 国境封鎖とトナカイ遊牧環境の崩壊
2 組合式放牧とトナカイの体格変化
3 国境を越えた民族の連帯と環境保全
三 定住化という環境の近代化 199
1 環極北の四位一体的生業構造
2 遊牧民と定住民のスミワケ
3 遊牧民の定住化によるスミワケの混乱
4 定住集落からの脱出
四 国語化という環境の近代化 205
1 サーミ語の「豊かな」世界
2 サーミ語世界の公的復権
3 言語と大地
五 機械化という環境の近代化 208
1 極北の革命・スノーモービル
2 ツンドラから消えたオオカミ
3 猟場の面的利用から線的利用へ
4 スノーモービルから犬橇ヘ
六 近代的市場経済の原理を離れて――終わりに、に代えて 212
1 生業を通してのみ語られる先住民族
2 先住民族の生存のための生業
3 先住民族の生存のための自然環境保護
4 「近代化」と先住民族の「誕生」
注 216
参考文献 218
8 環境と開発を読む――パプアニューギニアの森林をめぐって[斉藤尚文] 221
一 「森林伐採企業の奨励」対「反大規模伐採」
二 森林伐採企業にとっての森林
三 大規模伐採に反対する人々にとっての森林
四 パプアニューギニアの非政府組織
五 環境と開発と文化人類学 242
参考文献 243詳細をみるコメント0件をすべて表示