ローマ帝国と西アジア 前3~7世紀 (岩波講座 世界歴史 第3巻)

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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000114134

作品紹介・あらすじ

ローマ帝国を「古典古代」「地中海世界」の視角から解き放ち、西アジアとの共時性やつながりを重視しつつ「帝国」としての実像を探究。両地域の双方向的な政治史はもちろん、都市や生活のあり方、被支配者やマイノリティの主体性、文化・世界観の多彩で選択的な「翻訳」、ユーラシア規模での経済活動の実態など、最新の知見で活写する。

感想・レビュー・書評

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    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/550334

  • 最新の知見が多数盛り込まれていて、勉強になった。
    特に最後の「三世紀の危機とシルクロード交易の盛衰」三世紀の危機において、皇帝がころころ変わるなど社会的経済的混乱が起き、交易の不振を招いたのではなく、交易の不振により混乱が生じたと書かれている。それはなぜか?ローマ帝国は凄まじいまでの関税収入を得ていて、その減少により苦しめられた。また、二世紀後半の話になるが、三国志における董卓による遷都がインドにまで影響を与えていたのは知らなかった。洛陽は高級絹織物の産地であり、長安への遷都は経済面でも混乱を生んだ。
    他の章でも触れられているが、三世紀の危機を悲観的な視点から見るのではなく、様々な視点から見てみると、多様な社会が見えてくる。宗教や女性について触れる章もある。
    合間のコラムも面白くて、ナバテア王国の興亡が目に止まった。

  • これも基礎知識が足りずついていけていない

  • 展 望|Perspective
     ローマ帝国と西アジア――帝国ローマの盛衰と西アジア大国家の躍動
    ローマ帝国と西アジアの歴史
    ローマ帝国の形成と西アジア
    ローマ皇帝政治の成立
    帝政期のローマ帝国と周辺地域
    皇帝政治の進展
    帝国最盛期のローマ社会
    ローマ帝国の変容
    ローマ帝国の衰退と西アジアの激動
    ローマ帝国の記憶と表

    ローマ帝国の支配とギリシア人の世界
    ローマ帝国を東からみる
    ローマ帝国に貢献する
    ローマ帝国を理解する

     ローマ帝国と対峙した西アジア国家――アルシャク朝パルティアとサーサーン朝
    「前史」としてのセレウコス朝時代
    アルシャク朝パルティアの勃興
    アルシャク朝パルティアとローマの抗争
    バビロニア天文学・占星術の西方への伝播
    アルシャク朝パルティアの滅亡、サーサーン朝の興隆
    マニ教・ゾロアスター教・キリスト教
    古代の最終戦争とサーサーン朝の滅亡、イスラームの到来

     古代世界の経済とローマ帝国の役割

    古代経済史論争
    生産活動と流通
    帝国内の物資の輸送
    交易の拡大

     西アジアの古代都市
    都市を基礎とする地域としない地域
    ハカーマニシュ朝ペルシアの都市
    ヘレニズム・アルシャク朝時代の都市とその変容
    サーサーン朝ペルシア時代の都市


     ローマ帝国社会における女性と性差
    「祖国の母」リウィア
    地方都市における女性の公的活動
    属州エジプトのパピルス文書からみる女性
     
     ローマ帝国時代の文化交流
    地中海の蠱惑
    ラテン文化の東漸
    言語と宗教の壁を超えて

     「古代末期」の世界観
    「古代末期」と「世界」の表象
    「世界」を把握する
    「世界」を描き出す

     内なる他者としてのキリスト教徒
    いつからローマ人はキリスト教徒を認識したか
    ローマ人はどんなときにキリスト教徒を意識したのか
    意識されない隣人、意識される他者としてのキリスト教徒
     
     三世紀の危機とシルクロード交易の盛衰
    三世紀の危機論争
    「三世紀」の実像
    三世紀のユーラシア世界
    ローマ帝国のシルクロード交易の盛衰
    シルクロード交易衰退のローマ帝国への影響
    関税収入減少への対応とローマ帝国の衰亡

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著者プロフィール

大阪大学文学研究科教授 担当:第1~3 章

「2014年 『市民のための世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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