- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000221764
作品紹介・あらすじ
漫画映画監督である著者は、美術への強い関心から、こまめに展覧会に足を運び、図録を開き、たくさんの芸術作品をみてきました。そのなかから出会った"この一枚"について、縦横無尽に、古今東西を駆け抜けて書かれたのがこの本です。思いと興味はいろいろに、一枚の絵から広がる豊かな世界。三十余作品をカラー図版とともにご紹介します。
感想・レビュー・書評
-
教養深いんだ。
古いものに対する評価には似た感覚を持てるが、より現代の作家に対する解説には異議を感じる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
光村の小学6年国語教科書に取り上げられている高畑勲さんの文章「一枚の絵から」に刺激されて,ほかのも読みたくなったので読んでみた。
この本は「日本編」と「海外編」があり,いずれもジブリの月刊誌『熱風』に連載された文章を再編集したもの。さすが,一流作家だけあって,取り上げられている絵も絵巻物から現代美術まで多岐にわたっているし,その分析もなかなかおもしろい。
それぞれの話は「一枚の絵から」出発するのだが,行き着く先はさまざまだ。もちろん通る道もさまざま。その作者の生き方に触れていくかともえば,同じような絵の話に発展したり…。ここに収められていないいろいろな絵の話もでてくるので,それがどんな絵なのか気になる。
こんなときは,スマホが便利。画像検索するとすぐに引っかかってくる。ま,こんな風に読んでいるので,一冊読むのに時間がかかった。
「海外編」も読んでみようかな。
そうそう,肝心の「鳥獣戯画」に関する記述がなかったのはどうしてだろう。もしかしたら,先に出版されていた『十二世紀のアニメーション』に出ているのかも知れない。次は,これを読んでみよう。
そうそう,一番のお気に入りは,伊藤若冲の「果蔬(かそ)涅槃図」だな。お寺さんによくある「釈迦涅槃図」のパロディーはさすがだ。墨だけで書かれている傑作。若冲が京都の錦小路の青物問屋の元主人だとは知らなかった。どおりで,錦小路へいったときに,お店のシャッターの絵が若冲の作品ばかりだったわけだ。
-
こんな感性が自分にもあれば、美術館に行った時とかもっと色々感じ取ることが出来るんやろうな…と。