- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000236461
作品紹介・あらすじ
古代ローマから現代日本へ贈られた精神の治療薬。善く生き、善く死ぬために-。
感想・レビュー・書評
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これは中野孝次の遺書である。
あとがきを読んだ感想です。
彼がセネカ現代人への手紙にあとがきを書いたのが2004年4月。食道ガンで亡くなったのがその三ヶ月後、7月の事でした。
死の影が忍び寄る中、本著セネカの哲学を思い起こし、その恐怖を飲み込む姿。知識を知識として終わらせず、知恵として活かしている姿に感服します。
この本はセネカの軽快な語りと、中野さんの絶讃。そして、最後のあとがき。この三本どれにも価値があります。ぜひ読んでいただきたい。
前作、セネカの言葉を読んだときには彼の熱さに辟易していました。
しかし、二冊目に至る頃にはそれも慣れ、いっそカジュアルで情熱的な文体を楽しめるようになりました。
岩波書店といえど、アカデミックなものだけではないのだ。もやっとした先入観が晴れる思いです。
セネカの入門書として。そして、その哲学を最期に実践した文学者の軌跡を追う一冊として、私の本棚に加えます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ローマに生きた人なのに、「そうそう!」って共感しちゃう箇所がいっぱいある。
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梨木香歩さんの「村田エフェンディ滞土録」を読んで、セネカの言葉が印象に残っていたので、書店でこの本が目に入ったとき、思わず買ってしまいました。
哲学というととっつきにくくて、小難しいという印象があるけれど、セネカの言葉は実際的でおもしろく、なおかつ深遠です。キャッチコピーにも似て、まっすぐに人の心を捉える言葉ばかりで、お勧めです。