- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000246835
作品紹介・あらすじ
二〇一一年一二月一六日、政府は原発事故「収束」宣言を出した。それから一年余り。事故現場では過酷な作業が続き、被災者たちは苦しい生活を余儀なくされている。東電・政府はこの一年、何をやってきたのか。マスコミは何をどう報じてきたのか。記者会見、そして、現地での取材を重ねた著者が、欺瞞に満ちた「収束」の虚妄を、明らかにする。
感想・レビュー・書評
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東京電力の下請け会社が、次々と廃炉作業から撤退して
いるとの報道があった。さもありなん。
当時の野田首相が「冷温停止状態」などという、どういう状態
なのかよく分からん言葉まで使って福島第一原発の事故収束
宣言を出した。
会見の模様をテレビで見ながら「どこが収束してんだよ」と
プンスカしながら突っ込んでいたっけ。
本書は前著『検証 福島原発事故・記者会見-東電・政府は
何を隠したのか』に続く第2弾である。
野田首相が行った収束宣言は、政府と東電に都合のいい
ものだった。だって、「事故は収束しましたよ」って言って
しまえば「もう危険じゃありませんよ」と同じだもの。
でも、危険なのには変わりはないのだ。それなのに、原発
内で作業にある作業員さんの危険手当は削られ、避難して
いる方たちの一部は一方的に補償をストップされる。
東電が一部を公開したテレビ会議も当初は録画していない
と言い張ってたんだね。しかも、公開するに当たっても
かなりの条件をつけている。
時が経つごとに東電の記者会見の回数もどんどん減って来
ている。そうして、メディアも時折、思い出したように取り上げ
るだけ。
福島の人たちのみならず、多くの国民を不安にし、巨額の税金
を投入し、それでも東京電力は変わらない。情報の公開より
も、保身が第一。
東電が、監督官庁が、保安院や安全委員会が、それぞれに
責任逃れをし、そのツケを引っ被るのは一体誰だ?
前著よりも記者会見の記述は少なくなっているが、それでも
東電と政府の欺瞞を暴き出している。
忘れちゃいけない。原発事故は終わっていない。汚染水は
今でも漏れている。廃炉への道は遥かに長い。作業員さん
の労働環境だって改善していない。
何よりも、避難している人たちが故郷へ還るめどが立って
いないのだから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
543.5||Hi||2