飼い喰い――三匹の豚とわたし

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 599
感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000258364

感想・レビュー・書評

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  •  「世界屠畜紀行」をものした作者が、知りたいと強く願うのは、育て殺し食べるという行為。で、彼女は屠畜と食べる会をゴールとして、三匹の豚を飼う。
     とても真摯なルポルタージュ。そして、なにより、波瀾万丈のおもしろさ。「この本が、一人でも多くの、豚と豚肉を愛するひとに届きますように。」(作者あとがきより)

  • 5月にして今年のベスト本に出会ってしまったかもしれない。

    三頭の豚を飼育して屠畜、食べるまでを、率直な文章とイラストで記録したルポルタージュ。
    前作で世界の屠畜現場を取材した著者が「肉になる前」を知りたいと願い、三種三頭の豚を受精から立ち会って育て上げる。

    毎日のように口にするにも関わらず、知ることのなかった食肉の現場。
    著者は周りの人の助けを借りながら、子豚の譲り受けから飼育小屋の建設、飼育法…と、すべてを手探りで進めていく。
    三頭の豚たちと体当たりで暮らす記録からは、「命を食べること」の豊かさとシビアさ、畜産を生業とする人々の現実が伺い知れる。

    内容も読み物としての面白さも他に類を見ない、超優良ルポルタージュ。
    万人におすすめしたい作品。

  • 実際に豚と半年暮らし、その体験を基に現代社会の食糧問題、産業構造などに絡めているため、説得力がすごい。
    文体にややオタク感あり。

    読了120分

  • 2021/09/29

  • 豚を育てるための仮住まいを整え、豚を手に入れて飼い育て、屠畜場へ送り食肉にするという、一連の畜産体験を自らの手で行う話。屠畜紀行から始まった題材を、より上流の方へ展開している。
    屠畜紀行の方が面白く刺激的に感じたが、たぶんそれは読み手である私が結局は動物よりも人間社会の方に関心が強いからだと思う。また、豚を飼うというそう簡単に手を出せなさそうなことを代わりに体験して見せてくれていて、その点は良い。ただ、この本で解説も書いている高野秀行のものを一編読んだ時に感じた、著者が見せるどたばたの日々を読者はただ面白がる(しかない?)みたいな印象をほんのり受けた。大規模養豚場や屠畜場での話も事細かにしてくれるのでもちろん面白いことは面白いが、メインである「自分で豚を飼う」実体験ルポをどこまで面白がれるかによって読み手の満足度は違ってくると思う。

  • 最近、畜産への興味が尽きないので。
    内澤さんの世界屠畜紀行も最高だったけど、豚を3匹飼って食べる、という最高のルポ。
    豚が何を食べて、どれくらいで大きくなって、出荷できるのか、知らない事だらけの養豚が少し近づく感覚がある。
    命を食べないでは、生きてはいけないから、美味しく頂くことが良い。

  • 人工肉とか昆虫食とか家畜のゲップとか菜食とか狩猟とか、肉まわりのことっていつもほんのり気になってるので選んだ。不穏なタイトルだけど、3匹の豚を育てる割とドタバタな奮闘記。世界の屠畜現場を見ている人なので、殺すことを改まって深刻ぶったりせず、肉になる前の豚周りの色々を教えてくれる。‬


  • ノンフィクション

  • いつもながら内澤さんのルポイラストが良いなぁ。おいしい豚肉が食べたくなりました。

  • 試みは面白い。
    でも、日本語が下手ですね。
    著者のせいなのか、編集者のせいなのかわかりませんが。

    それから、妙なマイナス思考が多かったり、イラスト中のミスが多かったりと、途中で読む気を失いかけたところが多々ありました。

    企画のインパクトだけ、という印象です。

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著者プロフィール

ルポライター・イラストレーター

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内澤旬子の作品

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