責任ある投資――資金の流れで未来を変える

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000258968

作品紹介・あらすじ

本来、将来を見越して備えるためのものだったはずの投資が極端な短期主義に陥っている。投資が個々のリスクとリターンだけで完結するというのは古いパラダイムであって、投資とその先にある経済活動は、社会や環境に大きな影響を与えるのである。今のままでは未来が危ない。すべての投資判断に社会や環境への配慮を組み込むことを市場が共有する規範とする「責任ある投資」の考え方をあらゆる角度から丁寧に解説し、その実現のための具体的な方法や制度改革の提案まで詳述する。

感想・レビュー・書評

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  • 責任ある投資という言葉を聞くと倫理的な縛りを想像して本来の利潤を求める投資と相反するのではないか?という印象を持たれることが多いと思いますが、本書を読んで感じたのは責任ある投資というのは長期投資を実現するための手法だということでした。
    バフェットが株を買うときは10年間売れなくても構わないと感じられる株を選ぶことと言っていますが、そういう視点に立つと投資先の会社の将来像を見渡すためには単純に利益予想だけでなく不祥事を起こさないか?など様々な事が気になります。
    長期的に共に歩むことになる投資先の企業について投資家としても責任を持つという心構えが責任ある投資何でしょうね。
    短期投資中心になった現状に苦言を呈しつつ長期目線で見えない価値も評価して投資をしようというのは理にかなった行動と思います。
    日本に責任ある投資を導入しようとしていくつか提言がされていますが政策面からのものが多く、なぜ導入するのか心の部分での社会的な合意が弱い部分を感じます。まずは金融業が率先して身をただす必要があると感じます。

  • 投資とは本来、不確実な環境の下で、社会を持続可能にするための知恵である。

    責任ある投資の根幹にあるのは、投資の外部性に対する配慮である。

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著者プロフィール

高崎経済大学経済学部教授

「2012年 『環境経営・会計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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