- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000259736
感想・レビュー・書評
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アンナの気持ち、周りの人々の感じていることや態度などの描写がとても自然で、子供の頃だけでなく大人と言われる歳になってからも日常で感じたことのある「言葉にすることが難しいような複雑な心境」が流れるように書かれている。イギリスの児童文学と聞いていたけど、大人でも(むしろ大人になってからの方が)アンナを取り巻く状況、マーニーの状況、ミセス・プレストンの気持ちなどを自分に置き換えて、想像して読む楽しみがあるように感じた。この話の舞台になったノーフォークのバーナム・オーバリーに一度行ってみたい。ジブリの映画も見てみようと思う。
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イギリスの作家ジョーン・G・ロビンソン、1967年発表の児童文学。ファンタジーの名作です。
ジブリによるアニメ映画がわりと良かったので原作を再読。映画よりも何倍も何倍も素晴らしく感動的な作品であると再確認しました。
映画は、時間的な制約があってのことでしょうが、この作品の繊細な美しさを表現しきれていないと思います(不幸自慢の物語りみたいになってて興ざめする所があるんですが、原作ではそのようにはなっていません)。原作を読んでなくて映画を観てなにがしかのものを感じた方は是非原作を読んで欲しい、と私は思います。
不幸な生い立ちの結果他者に対してすっかり心を閉ざしてしまった少女(10歳くらい?)、喘息でもある彼女は転地療養のため海辺の小村を訪れ、そこでの不思議な出会いを通して他者へ心を開いて行く、という物語り。
前回読んだ時は「トムは真夜中の庭で」のようなタイムワープの物語りと受け取ったのですが、今回再読して、タイムワープではなく、場の霊的な力と感応しての幻想譚なのかもしれないとも思いました。いずれにせよ、心の傷を癒していくとっても繊細な物語りに感涙。 -
映画がつまらなかったんですけど、「これは、原作は絶対面白いのでは」と思って読みました。大正解でした。原作もさることながら、和訳がすばらしいというのもあると思います。
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「しめっ地屋敷」を彷彿とさせるような色の装丁の本である。
アンナという主人公に、共感を覚える読者は多いのだろうか。
大人の事情というものを知りながら、それを受け入れる器量はまだ持ち合わせておらず、信頼というものを求めながらも、人との関わりの中で自分が「外側」にいることを痛感してしまう。
彼女が何もせず、何も考えず、一人でいる世界を良しとしていた所に、新たな世界は迫ってきた。
出逢いとは、本当に唐突であっけなく、そして素晴らしい力を持っているものだと思う。
マーニーとの関係の中で、アンナは様々な感情に翻弄される。
風車小屋から帰ってきたアンナが、熱と共にうなされ、抗いながら「成長」を遂げるシーンは読んでいてハッとさせられる、すごいものだった。
河合隼雄の解説も非常に面白い。
アンナの心と照らし合わせて読んでいくことで、この本は新たな輝きを帯びるように思う。
少女時代の私は、アンナに似ていたが故に、嫌悪を抱いていたかもしれない。
そんな私だからこそ、ちょっと懐かしい気持ちを持って爽やかに読了させていただいた。 -
アンナの内面が丁寧に描写されていてとても良かった
マーニーの人生を思うと悲しい
後半はリンゼー家が温かい
その家族との関わりと謎が解けていく部分は一気に読み進めるほど夢中になれた
ジブリ作品もよくできているが私はこちらを読んでとても良かったので、どうして舞台を日本にしたのだろうと思う。
暗い話の印象だったが、本を読んでやっとこの物語の良さがわかったのでうれしい。 -
子ども向けの本でありながら、子供の心の成長をテーマにした深みのある作品。読み込むほど、テーマの深さと難しさを感じる。
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すてき、すきなおはなし
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映画を見て、結構好きだったけれど、原作読むまでではないかなぁなんて思っていた。
でも、図書館でこの本を見つけて、装丁が好みで思わず手に取る。
1人の少女の成長の物語であり、少女たちの友情の物語であり、母と娘の物語。
マーニーとアンナの不思議な巡り合わせ。
もしも、娘がいたら一緒に読みたい本。 -
とっても癒された。なんだか小学生の時に読んだ本を思い出して懐かしい気持ちになりながら一気に読んだ。
またメアリーポピンズとか読みたいな。 -
それにしても装丁がステキすぎる。この本が本棚に並んでてくれたら…
児童文学もなかなかいい。
子どものころに読んでいたかった。