なぜ私たちは理系を選んだのか (岩波ジュニアスタートブックス)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000272353

作品紹介・あらすじ

宇宙飛行士、ベストセラー作家、アスリート、人気ユーチューバー……、様々な世界で活躍している理系出身の方々に人気アナ桝太一さんがお話を聞きます。理系にはどんな魅力があるのか、どんな可能性が広がるのか……。夢に向かって一歩を踏み出したいあなたへ、理系から広がる多様な世界を紹介します。

感想・レビュー・書評

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  • 理系か文系かの前に、興味があることはなにかが先なんだな…

    〜~~~~~~~〜~~~~~~~~~~~~~~~~

    日テレアナウンサーの桝太一さんが、いろんな分野で活躍する理系を選んだ7人の方へインタビューしたものをまとめた1冊。
    理系とひとくちに言っても、進む分野は多岐にわたっているんだなあ…ということが、目次を眺めただけでもよくわかります。

    この本のなかで1番の肝は、「自分の好きなこと、やりたいことを貫くために理系の知識が必要ならば、理系の勉強が得意か不得意かに関わらず、それは越えなければならない壁なのだ」ということかもしれません。
    これはきっとわたしを含め、「その将来やりたいことが見つからないから困っているんだよ」という人たちにとっては、耳の痛い話だと思います。

    自分の中からやりたいことを掘り出す時間が無限にあればいいけれど、でも年は誰しもが1年に1歳ずつとっていくし、学年も年齢もどんどん上がってく。
    全然、やりたいことは見つからないのに、進路希望の紙は提出しなくちゃだし…あせりますよね、まったく。
    でも、それでもやっぱり、やりたいことは自分ので掘りにいくしかないんですね。
    気にしなきゃいけないのは、ラクな道かどうかじゃなくて、その道が自分の“好き”につながっているかどうかなんだなと思います。

    この本は、好きなことがすでに自分でわかっていて、その道に進むためには理系の勉強が必須で、でも理系の勉強が超・ニガテ!という人にとっては、「それでもやりたいことのためには理系の道を進むしかないんだ」と腹をくくるお手伝いをしてくれると思います。
    その話の前提となる「好きなことがなにかわからない」状態でこの本を手にとったとしても、理系を選ぶか文系を選ぶかはともかく、人生にはいろんな歩み方があるのだなあとか、こんな仕事があるんだ!ということを知ることができると思います。

    対談形式でとても読みやすいすし、テレビ番組「激レアさんを連れてきた」や「サラメシ」を見るような感覚で、読んでみてくださいね。

  • 桝太一アナにエール相次ぐ。日テレ退社、大学で研究者の道へ | ハフポスト
    https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_61edf64ee4b04db85c849c8b

    桝太一アナの日テレ退社が “文系マスコミ”のターニングポイントになる?|日刊サイゾー
    https://www.cyzo.com/2022/01/post_301633_entry.html

    桝太一アナ、3月で日テレ退社&同志社大研究員に 『バンキシャ』キャスターは継続 | マイナビニュース
    https://news.mynavi.jp/article/20220123-2255295/

    なぜ私たちは理系を選んだのか - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b577717.html

  • 〇桝太一さんが“理系”の分野で活躍している現役の人たちにインタビュー
    〇独立するに当たっての心を固める後押しになったお仕事だったのではないかなあ
    〇本書でも述べておられたが、文系・理系の間に壁をつくらずに博学の鉄人が育つ土壌が出来るといいな

    山崎直子さん(宇宙飛行士)
    …JAXAの宇宙飛行士の募集で「理系大学卒」がなくなった。いろんな分野に研究が広がるといいな

    下村実さん(四国水族館)
    …好きの裏づけと生き物の命を預かる責任として数学が必要。好きを極める

    ゆきりぬさん(YouTuber)
    …好奇心が進む道を決めていく。自分で道を切り開いていく

    海堂尊さん(ベストセラー作家)
    …そういえばお医者さん出身の作家さんって何人かいる。お医者さんには言葉が必要なのか。

    渡邊典子さん(オリエンタルランド)
    …むむ。調べでテーマパークをあげる子、毎年いるけどこれは紹介出来る
     渡邊さんは得意よりもバランス。自分はどのタイプか知ることも大切。

    田島木綿子さん(国立科学博物館)
    …フィールドワークの楽しさ。寄り道をしながら今の職に。ガッツあるなあ。

    廣瀬俊朗さん(元ラグビー日本代表主将)
    …天は二物も三物も与える…を地でいっとる。チャンスを拾って努力する。敵無しですわ

  • 〈どうしてあなたは「理系」を?〉

    日本テレビアナウンサーの桝太一さんが、進路を「理系」に選んだ様々な人にインタビューしている一冊。

    先日、桝太一アナウンサーが16年間在籍した日本テレビを退社し、4月から同志社大学ハリス理化学研究所で助教として「科学を適切に伝える」方法を研究する「サイエンスコミュニケーション」と呼ばれる学問に取り組んでいくことを発表しました。

    元々、桝太一さんは東京大学理科二類に入学し、同大学農学部水圏環境専修、同大学大学院農学生命科研究科を経て、アナウンサーになっている方です。大学院では「アサリ」の研究をしていたそうです。

    そんな枡さんですが、最初から理系に迷いなく進んでいたわけではなく、熟考の末、理系を選んだとのことでした。文理選択で悩み、そして理系で学んできた枡さんが、理系を選択し、様々な分野で活躍している「理系」な人達にインタビューをしています。

    インタビューの相手は、宇宙飛行士、水族館職員、YouTuberと多岐に渡っています。「理系」を選びながら「理系」の職業に就いていない方の話も聞けます。

    「岩波ジュニアスタートブックス」の対象が文理選択を迫られているであろう中高生ということで「なぜ理系を選んだのか」「今はどのような仕事をしているのか」「その仕事に理系での学びはどのように活きているか」ということを中心にインタビューは広げられています。

    印象的だったのは、多くのインタビュイーの方がすんなりと理系を選択したわけではないということです。むしろ理科や数学への苦手意識を抱えながらも、理系を選んだという方が多く、意外でした。

    また、「好き」というエネルギーがあることを前提にしつつ、それを支える「学力」の重要性を説いている方が多くいました。
    「好き」を大事して職業にしながらも、インタビュイーの方々は学力が大事なことに気づき、勉学を重ね、今の仕事に活かされているからこそ、説得力のある言葉であると感じました。

    文理選択の枠を超えて、進路選択のヒントになる一冊です。


    【印象に残った一節】
    "中学校の頃の勉強って、「これ何の役に立つんだろう?」と、まるで素振りをしているような感覚にもなりますけど、いよいよ本番でバキバキ打ちまくるような気持ち良さというか……。”(桝太一、p.25)

    ”中学生のみなさんには、身近にある、「ちょっと」興味のあることから気楽に楽しむことを出発点に、良い人生の選択をしてほしいと思います”(ゆきりぬ、p.47)

  • 自分がバリバリの文系なので、どういう人が理系を選ぶのか興味がありました。おそらく文系であろう子どもにも勧めてみました。進路を考える時などにふと思い出してくれたらいいな。

  • 理系出身の7人へのインタビュー。
    好きなものをどう武器にするかだけでなく、手にした武器をどう利用するかも述べられる。好きを活かすために必要な努力と選択。それは学生たちに大きな助けとなるだろう。
    各分野の仕事について知れるのも面白い。

  • 得意科目・苦手科目で文理を決めなくてもいいんだな、とこの本を読んでその2つの選択の仕方の幅が広がったような気がした。自分のやりたいことのためには、何が必要なのかを考えた先に勉強があって、だから勉強をするんだ、という勉強をする意義もわかったように思う。私は数学が苦手だけど、理系の仕事にも興味があるし、理系の職業をしている人で数学が苦手な人もいる。そう考えると、「私文系だからなぁ……」なんて言って諦める必要はないのかもしれない。すこし、理系の壁というか、ハードルが低くなったと感じた。

  • 理系出身の桝アナによる理系出身の著名人へインタビューをまとめた学生向けの本。
    ラグビー選手から宇宙飛行士まで様々な職業の方がなぜ理系へ選択したのか、そして実際学生のころには数学が得意だったのかなどの質問していく。一見理系とは関係なさそうな職業でも理系へ進んだことのメリットなどを話していてすごく勇気を与える一冊だと感じた。
    読んでいくうちにキレイに理系と文系を分けることの難しさやそもそも理系と文系で分ける必要があるのか?という疑問が出てきた。そして日本中に理系も興味あったから進みたかったけど、流れで文系にした人もいるんだろうなと感じた。
    色んな道があるんだな実感したので本当にぜひ全学生におすすめしたい本。

  • 2021/9/17-19読了

  • 2021.08.23

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