「ボヴァリー夫人」を読む: 恋愛・金銭・デモクラシー (岩波セミナーブックス S3)
- 岩波書店 (2004年10月20日発売)
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感想 : 1件
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- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000280532
作品紹介・あらすじ
凡庸な夫への失望と道ならぬ恋の煌めき。襲いかかる策謀と絶望のうちの自死。ギュスターヴ・フローベール(一八二一‐八〇年)の労作『ボヴァリー夫人』(一八五七年)は、新しい時代における個人生活の悲喜劇を冷徹な筆致で描いた「近代写実主義の傑作」と評されてきた。だが、残された厖大な草稿は、はてしなき「書く」営みの渦中で作家が言葉に定着させようとしたものの正体を記録している。民主主義と資本主義に司られた近代国家と、そこに生きる人々の「世論」が形成する磁場。『ボヴァリー夫人』が描く人物の彷徨は、個人をはるかに超えたその磁場に今も生きるわれわれ自身の姿にほかならない-幾多の草稿と取り組んできた生成研究の第一人者による精緻にして斬新な「読む」営みのただなかに、未知の作品像が立ち上がる。
感想・レビュー・書評
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1865年に初版が出されたとされる『ボヴァリー夫人』の書かれた背景や筆者のことを理解できる書籍。この本が書かれた歴史的背景には離婚が法的に不可能な時代であったことも影響しているといわれる。しかし1792年になって個人の自由の原理に則って初めて離婚が認められたという。当時の離婚の禁止は、それによって露頭にまとう女性を保護する為といわれる。となると年号的には合わなくなる。
その他に風紀紊乱・宗教冒涜の罪で起訴される、2月に無罪判決を勝ち取る。これによって刊行本がレヴィ書房より出版されるや、裁判沙汰の効果もあって飛ぶように売れたといわれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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