- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000283588
作品紹介・あらすじ
人間にとって自由とは何でありうるのか。本書では、それを「生」という大きなテーマから考えていく。人間の誕生と生存、性と生命におけるさまざまな非対称性と偶発性、制度やシステムではなく、あえて個人の生き方に定位することで見えてくる自由と幸福の相克-。ここで多面的に提起される「身も蓋もないくらい根本的な問い」(本書対論より)の数々は、いわばシリーズの他の巻で論じられる全ての問題群に斜めに切り込むような強度をもっている。
感想・レビュー・書評
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p.195 大屋雄裕「自由か幸福化、あるいは自由という幸福か」
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316.1-ジユ-8 300148467
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◆「生む/生まない」の秘密
「いのち」って何?「自由」って何?
この本の醍醐味は「いのち」と「自由」の秘密を暴いているところだ。例えば著者は本書の中で、生む自由/生まれる自由に注目している。私たちにとって子を生む自由は、実は個々の自由意思によって選択されるものではなく、社会的な価値と基準によって自由を選択させられるものであった。
「よい人間」を生む優生学、次世代の発展のために子どもを生産するという考え方が私たちの生活に侵入していることが秘密にされ続けている。
寛容な「自由」という言葉には、「機械人間」を生産する力が働いていた。
さらにさらに私たちはなぜ「優生学」や「再生産」に「イラっ」とくるのか?についても本書は考える。
モノ化された人間に対する徹底した拒絶と、未知なるいのちの可能性について考えた一冊。ハンナ・アーレントにとっての「いのち」についても詳しく議論している。
(龍谷大学ライティングセンター)
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