- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000285247
作品紹介・あらすじ
人類は今回の東日本大震災にような不確実な「低頻度大規模災害リスク」と、この先どうつきあっていけばいいのだろうか。被災地の行政機能が喪失し、通信手段が遮断されているなかで、まず求められたのは、被災地外の支援者が被災地を支援するために役立つ情報を提供すること、被災地から被災地外に情報発信する手段を提供することだった。また被災自治体の瓦礫処理や罹災証明発行、ボランティアセンター運営、要援護者の生活支援のためのシステムを整備した。次に被災地の過去・現在・未来を映像で記録し後世に伝承するための災害デジタルアーカイブの使命が待っていた。「311まるごとアーカイブス」は、災害記録をまるこどアーカイブすることを目的として発足した。発起人である著者がつづった、行政・企業・ボランティア・被災者との協働による情報支援・アーカイブ活動の実践の記録。
感想・レビュー・書評
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通信手段が破壊され、自治体が行政機能を失った被災地に入り、被災者の実情を発信し、被災者に必要な情報を送り届けようとしたボランティア・企業・研究者たち。その過程で、被災の事実を克明に記録し、被災前と直後の記憶を残し、復興に向けた未来を伝えていくことの意義を見出していく。コミュニティ再生のため求められる情報支援とは。(出版社HPより)
★☆工学分館の所蔵はこちら→
https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT21892399 -
岩波の叢書の中の一冊。これは本屋に全部来たら教えてといってあるので、今回3冊目として購入。
一つ一つのアーカイブを作成する作業、地元やNPOとの軋轢などの苦労など頭が下がる。著者も防災研というよりは、かなり個人でリスクをとって活動しているように思う。
いろいろな情報があつまる立場にいるものとして、感じたこと。
(1)もっと情報をもつ人は、リスクをとって外にいろいろな情報をだすべきではないか。組織の同意がとれない、正式の情報がない、といった言い訳はできるが、被災地で苦労している方々にとっては、情報に飢えているはず。そこは自分でとれるリスクはとっても復興のお役にたつよう、全力をつくそうではないか。
(2)復興まちづくりについても、現実にうごきはじめなければいけない時期になって、いろいろなきしみ、何で動かないんだという不満、不平、あそこだけなんで特別扱いするんだというやっかみ、などたくさんある。そういう混乱した中でも、自分の責任で、考え方を明らかにすべきではないか。
自分は、被災者、特に、被災地の地場企業がいなくなってはどうしようもないので、一部でも同意がとれたところは先行して事業を進める、また、進めることを推奨すべきだという意見を持つ。
(3)東京で復興に関係する職員は、常に被災地のことを頭において仕事をしようではないか。とりあえず、流す、恰好つける仕事もやらなくていいとはいわない、でも、被災地の復興を第一に考えて行動しよう。税金でいままで食わしていただいてきたんだから、ここで役人が踏ん張らなくてどうする。
被災地には土日もないんだよ。やりすぎといわれるぐらい、復興のお役にたてることをしよう。