- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000286435
作品紹介・あらすじ
この世のなかで、他人とかかわりなく生きて行くことは、できません。人とのつながりのなかにこそ自分自身が存在しています。娘の恋人を苦々しくも祝福するスサノオ、気心の知れた友の早世をなげく紫式部、どこまでも母親思いの頼山陽…。親子の絆、夫婦の機微、友情と信頼など、人と人とのつながり、さまざまな結びつきを探ります。
感想・レビュー・書評
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB13242692詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男女、夫婦、師弟、親子など、人と人とのつながりをテーマにした古典の一文を取り上げて解説していく。恋愛ものばかりでなく、非常に多種多様な、古典の、つながりの姿が取り上げられている。
今昔物語集の、女盗賊のエピソードとが面白い。
ある男が夕暮れ時に歩いていると、ふと目に入った家に美しい女がいて、こっちをみて、ただほほえんでいる。誘い込まれて、気が付けば一緒に暮らすことになった。
二十日ほどたったところで、女は男に問う。「私のいうことは何でも聞いて、否とは決しておっしゃらないでください」。男は「生きるも死ぬもお前次第だ」と答える。そこから、女は突如男装して、鞭を手に持って、SMプレイをはじめるのだ。男をぶちまくる。それに何度も耐えきった男は、今度は女の指示に従い盗みなどを行う。それから二年ほどたったある日、男が用事をすませて帰ると、忽然と女も家も消えていた。ある時みかけた盗賊団のボスが、女のように美しい男だったので、彼女の正体は首領だったのか、それともやっぱり狐だったのかどっちだろうということで終わる。
この本は本当にマニアックなチョイスばかりで、たぶん全然売れないのだと思うけれども、丁寧にわかりやすく解説しているので、図書館で全シリーズ通読することをおすすめする。読むのが早い人であれば、4時間で一冊読み終えられる。