- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000289207
感想・レビュー・書評
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とても手堅い入門書
歴史は苦手なものに近づくための方法のひとつだなと思う -
媒体ごとのタテヨコ史(米英ドイツ日本)
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今のメディアは過去のメディアに準拠しつつ前に進む、という話を聞いたことがあります。例えば、ページじゃないのにホームページ、フォンを忘れてもスマホ(スマートフォン)、そして強引にテレビであろうとしているAbemaTV、等々。通信と放送が融合し、コンテンツとデータが結合し、AIが生活のすべてをメディア化している「今」だからこそ、著者がまえがきで述べている「バックミラーを覗きながら前進する」ことが、結果的に未来を見ていることになるのかもしれません。本書の初版は20年前の刊行、その時点にバックミラーに映っていた世界に、新たに20年分の進んだ分を付け加えての新版です。すべての歴史が近代までは体系づけて語れるのに、現代の領域に至ると妙に不安定になるのと同じようにメディア史も旧版までは、力強い分析なのですが、デジタルが登場してからは、茫漠として来ます。フォーカスが拡がりすぎるのは、現在のメディア環境の反映なので、いいとして、最後の最後にメディア教育に対する問題提起で終わっているのが、著者のメッセージなのだと受け取りました。メディアが発信するのは「人」に対する情報だとしたら、「人」がどんな情報を情報として欲しているようになるのか、そうこれからは、テクノロジーの問題ではなく、リベラルアーツの問題がメディア論の前景に出てくる、という予言だと思いました。
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東2法経図・6F開架 361.45A/Sa85g//K