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- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000610131
作品紹介・あらすじ
ジェロニモの末裔たちはアメリカの岸辺から世界へと流れていった"叛アメリカ"とは現代社会が無自覚に追随する自己崩壊のシステムへの根源的な異議申し立てである。キューバからハワイ、沖縄、フィリピンまで。時空間を超えて群島状に拡がった叛乱者たちの系譜を「いま」に呼び出す知的冒険の書。
感想・レビュー・書評
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1830年のインディアン強制移住法を皮切りに、カリブから南米・太平洋へと侵略行為を繰り広げ傲慢と世界を覆い尽くしてきた「アメリカ」。敢然と立ち向かったアパッチ族ジェロニモすら終には投降し叛骨の魂は潰えたかのように思えたが…そうではなかった。ジェロニモの末裔たちは常に存在したし、大陸から群島へと散らばったジェロニモたちの方舟は今も叛旗を翻し、踏み躙られた死者の声を詩という武器に託し戦っている。ここで扱われた詩人や写真家らの生きざまに呼応せずにはいられない。彼らの魂の声に耳を傾けることから始めようではないか。
「ジェロニモの言葉にならない憤怒は、アメリカの岸辺を離れて漂流するなかで、たしかな言葉と表現を生みだしていた。その原初的な憤怒の風がはためかせる叛旗は、「叛乱」の原義が示すように、支配原理のたんなる否定でも転覆でもなく、もっとも貴重な精神の均衡状態へとたちもどる「回帰」のヴィジョンを押し立てていたのである。だからこそ言いたい。人類の倫理的歴史が招いた、一つの暗い時代を生きはじめようとする私たちもまた、未来へ向けてのこの叛乱=回帰を、怖れてはいけない、と。」 あとがきより詳細をみるコメント0件をすべて表示
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