- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000612074
作品紹介・あらすじ
「食べちゃいたいほど、可愛い。」このあられもない愛の言葉は、"内なる野生"の呼び声なのか。食べる/交わる/殺すことに埋もれた不可思議な繋がりとは何なのか。近代を超え、人間の深淵に向かい、いのちの根源との遭遇をめざす、しなやかにして大胆な知の試み。
感想・レビュー・書評
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日本や世界の神話、民話、果てはSF小説まで、生と性と食に関わる事を集めてある。論文なのかエッセイなのか。
千早茜さんの本を読まなかったらこの本の存在自体知らなかったはずなので、千早さんに感謝。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
100ページまで読了。今年の課題図書。
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「たべちゃいたいほど、かわいい」確かに良く聞く言葉であるし、なんなら自分の子どものことも可愛すぎて食べちゃいたい。でもそれはカニバリズムでも性的欲求でももちろんない。愛情がなぜ食欲になるのか。「食べ物を食べている夢を見るのは欲求不満だからだ」とも聞いたことがある。満腹だと性欲が薄れるのか?しかし空腹の方が逆に性欲から食欲に頭が支配されてしまう例も紹介されている。愛する人を食すということを考えたり、食べる立場から食べられる立場になること、異類婚姻譚など様々な点での食、欲に関する事柄が載っており非常に興味深かった。
面白い。 -
2023-11-11
学術書とエッセイの中間くらいの感触。生と性と死が分かちがたいものであるという何となく思っていた感覚の傍証がこれでもかと集められている。ストロースの言及など、なるほどと思うものも多い。でもこれといって目新しい所に焦点がないのがエッセイっぽい。 -
ほんタメ!より。性と食について。テーマは面白いはずなのに思っていたものと違った。昔話を用いて作者の考えを綴った本。少し読みにくさも感じる
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古今東西の性、食、死などに関するエピソードを取り上げ、筆者なりの解説(ただし論拠が希薄)を加える内容。ボリュームがあって読み応えはあります。が、これはほとんどエッセイに近い。民俗学のジャンルになると思いますが、構造化された独自の分析はあまりなく、異類婚姻譚の類を詰め合わせた「昔話集」と捉えるのが正解かもしれません。
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本の名称に惹かれて読んでみたが、これは学術書。決して読みやすいとは言えず、面白いとも思えない。
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鼻につく!
論理がないから読みにくい
「三軒細胞」になってから「死」が出来た、とかそういうのは面白かった?かな? -
食べる/交わる/殺すことの間にある関係について、民俗学の観点から考察している本。
色々な文献を用いてそれらの関係に迫っていて、私にはそれが真理なのかは分からないけど、中にはへえーなるほどそういう捉え方ができるのか、と単純に面白く感じることもあった。
特に童話や民話の考察が興味深い。
昔話「猿婿入り」は猿に対してひどくない?と思っていたので、「野生との存在を賭けた厳しい戦い」との説明に、そういうことかと納得した。
さらに、世界には色々とすごい神話があるものだ。ハイヌウェレ神話やそれに近い作物起源神話は、ちょっと衝撃だった。
でも考察より何より、ヘレン・マクロイのSF小説「ところかわれば」がいちばん気になっている。
火星人は食事に二種類の生物を必要とし、生殖は単体で行うという設定らしい。読んでみたい。