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- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000614344
作品紹介・あらすじ
植民地や占領地に暮らしていた三〇〇万人を超える民間人の引揚経験は、戦後長らく忘却・封印されてきた。国内外の一次資料を用いた国内・国際の政治要因からの実態解明と、引揚者の手記や聞取り調査などを用いた戦後社会と引揚者との関係解明とをあわせ行い、海外引揚の全容と、日本の脱植民地化の特質を明らかにする。
感想・レビュー・書評
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南方を除き、終戦後各地からの引揚の個別論と総括。土地により引揚の態様は多様だ。ソ連・国府・中共という国際政治の現実に晒され、人数が多く、悲劇性も強烈な満洲。割と平穏な台湾、割と混乱の少ない中国本土。同じソ連支配下でも、中共の影響力下の大連、自発的な南下脱出がソ連・朝鮮に黙認された北朝鮮、短期間の戦闘と数年間に渡る共同生活があった南樺太では異なる。また南樺太では他の土地と異なり、日本人が優位性がある相手の現地人がほとんどいなかった。また、台湾同様に治安が比較的安定し人的被害が少なかった南朝鮮。
また印象的なのが、現在にも続く問題として、個々の引揚体験から日本人の歴史認識への繋がりだ。満洲引揚やシベリア抑留の悲劇性は負のイメージとなり、反共・反ソの材料とされる。台湾観・蒋介石観はその逆だ。引揚者の記念碑は慰霊碑なのか殉難碑なのか。かたや、各地の現地人や浮島丸事件のような非「日本人」の存在、ひいては植民地自体も忘却され、その中で引揚者の存在も異端視されざるを得なくなった、と著者は述べている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・6F開架:369.3A/Ka86k//K
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