- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000614450
作品紹介・あらすじ
言語の意味に関する哲学的な問題と、その解決のアイディアの基本を読者とともに考察するタイプの入門書。意味に関する合成原理と「いま」「ここ」「わたし」などのインデクシカル(指標詞)を中心に置き、文の構造に即して基礎から一歩ずつていねいに解説する。随所に設けられた「問いかけ」で理解が深まる(解答あり)。
感想・レビュー・書評
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広く浅く言語哲学のエッセンスに触れてくれている本でした。文体はやや読みにくく、著者の性格なのか分析哲学というジャンルの性格なのか、カッコ書きが非常に多い! 浅い解説のまま放置しておくことが耐え難いのか、「(これについて深く立ち入ることはできないが…)」というような、カッコ書きの注釈が随所に見られます。注意点として、この本の内容は様々な哲学者の考えが言語哲学史の時系列順には書かれていません。あくまで初学者に説明しやすい順番で書かれているようです。
私はミドリムシが動物なのか植物なのか考えるための参考のひとつとして、本書を読みました。感想、学べたことなどをnoteにまとめています。(https://note.com/midori_elena/n/ne588e39c6197?magazine_key=mb1d3161dcc72)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【書誌情報】
著者:八木沢 敬
本体2,200円+税
刊行日:2020/12/17
9784000614450
四六 並製 カバー 202ページ
未刊・予約受付中
言語の意味に関する哲学的な問題と、その解決のアイディアの基本を読者とともに考察するタイプの入門書。意味に関する合成原理と「いま」「ここ」「わたし」などのインデクシカル(指標詞)を中心に置き、文の構造に即して基礎から一歩ずつていねいに解説する。随所に設けられた「問いかけ」で理解が深まる。
〈https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b548862.html〉
【簡易目次】
はじめに
第1章 意味とは何だろう ――思考の表現としての言語
1 思考とその表現:命題
2 部品とその組み合わされ方:合成原理
3 「わたし」とは何を表現するのか:インデクシカル
4 述語は性質を表現する:述定
5 述語の意味がわかるとは?:外延と内包
6 文の真偽を決める条件:真理条件
第2章 「アリストテレス」とは何を指すのか ――固有名
1 「アリストテレス」のかわらぬ意味?:固定指示子
2 形而上学的インテルメッツォ
3 「アリストテレス」はアリストテレスを指す:指示決定
4 むかし誰かが「アリストテレス」とよんだ:因果説
5 ややこしや名前と名づけの取りちがえ:指示意図
第3章 キケロとトゥリウス ――固有名と記述
1 「キケロ」の意味がキケロだと困る
2 キケロとトゥリウス:合成原理の放棄?
3 名前と対象との混同?:メタ言語
4 翻訳すればわかる:文の理解とはどういうことか
5 フレーゲ登場……しかし
6 ラッセルのカミソリの切れ味は?
7 センスと指示対象をわけてもうまくいかない
第4章 日本の大統領 ――確定記述
1 「すべての」文の形:量化構造
2 「四角い円はまるい」のか:記述の理論
3 「必然的に」がくわわると……:様相の文脈
4 様相はどこにかかるかで大ちがい:デ・レとデ・ディクト
5 名詞句の意味
第5章 トラとサイコロはどうちがう? ――普通名詞
1 「双子地球」という思考実験
2 「意味は,頭のなかなんぞにありゃしない」
3 意味の社会性とはどういうことか
4 「金」の指すもの:固定指示
5 トラとサイコロのちがい:自然種と人工種
第6章 さまざまな「ある」 ――存在と述定
1 「ある」と「である」
2 「である」と「である」
第7章 そんなこといってない?――言語コミュニケーション
1 命題への態度
2 いいあらわされた意味と汲みとられた意味
3 「会話のふくみ」
第8章 言葉でできること ――言語と行為
1 間接的な行為
2 直接的な行為
「問いかけ」の答え
参考文献
あとがき
索 引