ハブられても生き残るための深層心理学

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000615020

作品紹介・あらすじ

私だけがのけ者にされ、みんなから悪く言われている……。そんな息苦しさを訴える声が多い。そう感じてしまうのはなぜか。また、こうした現象が日本社会で起きやすい背景とは。自身の経験や長年の臨床で得た深層心理学の世界観で、その仕組みを考察。悲劇に陥りがちな人生の台本を紡ぎ直し、自分らしく生きるためのヒントを説く。

感想・レビュー・書評

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  • 医学部分館2階心理学 : 146.1/KIT : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170238

  • 2章までは興味深く読んだ。ただ2章以降は何の話なのかがわかりにくく、話の長い人と会話しているような気分になった。

  • 明治薬科大学図書館 ベストリーダー2022 10位
    https://kensaku.my-pharm.ac.jp/opac/volume/265126

  • ふむ

  • ■集団から排除される「ハブられる」という現象は、自分の知らないうち、裏で隠れて進行することが多い。
    ・日本人の文化の中には、悲劇の主人公を演じさせるような「台本」がすでにある。潔く去っていくという結末が「みんなの物語」として用意されている。
    →日本の「鶴の恩返し」と西洋の「カエルの王様」「美女と野獣」に見る異類婚姻説話の結末の違い

    ■集団は自分たちと似た者を取り入れ、異なる者を吐き出すという基本傾向を持つ。これは無自覚に繰り返されやすい。
    ・人は集まってグループを形成する。同類幻想を共有する集団は、一つの人格のように行動することが起きやすい。そして、同類思考の強い人たちが集まるほど、集団の同質性は強固になる。集団には、自分たちと似ている「同類」を仲間に入れ、考えや性質の異なる「異類」を排除しようとする基本原則がある。この「同化」と「異化」は無自覚にくり返されやすい。

    ■人生は劇に似ている。劇場には舞台のほか、役を降りてほっと一息つける「楽屋」もある。「人生の台本」の存在を知り、よりよいものに紡ぎ直していくことが大切だ。
    ・劇場の構造を知らない人は、人間関係で迷子になったり、奈落の底に落ちてしまったりすることもあるだろう。危険な目に遭わないためにも、人生に「劇的視点」を持つことはとても大事である。

  • 序 「ハブられる」とは

    第1章 なぜハブるのか――同化と異化の生理
     1 「違うもの」を無意識に排除してしまう原則
     2 グループで働く同調圧力
     3 吐き出す受け皿を求めて

    第2章 排除する深層心理
     1 集団を結びつける同類愛
     2 いじめを行う心理には憎悪と愛情がある
     3 みんなでやれば怖くない――無自覚・無責任の原則
     4 憎悪と愛情はすでに家族内で始まっている

    第3章 反射的に排除する心身
     1 心は身体と連動している
     2 心は消化器
     3 心の中に異物を置けるように

    第4章 日本語から考えてみる――多義的で曖昧な言語を使う心
     1 不明瞭な言葉の使い分け
     2 言葉の特質に慣れる
     3 絶対がなく、全体が見えにくい
     4 言葉は舞い散って、水に流されていく

    第5章 異類を排除する物語を読む
     1 異類と結婚する悲劇
     2 外国の異類婚姻物語を読む
     3 重要な役割を担うのは〈あなた〉
     4 化け物の正体は何か

    第6章 〈あなた〉との「つながり」――親子関係から考える
     1 人間には裏がある
     2 裏の「見にくさ」
     3 異なる世界への橋渡し役としての〈あなた〉

    第7章 人生を劇として見る――「心の台本」を紡ぎ直すために
     1 人生という劇を生きる
     2 悲劇としての「心の台本」を読み直してみる
     3 人には「心の楽屋」が必要

    第8章 心の構え方――自己を構造化する
     1 「自分がない」から「私がいる」へ
     2 三角関係から自己の本格的構造化が始まる
     3 心の三角関係
     4 自己矛盾と葛藤をどう生きるか

    第9章 生き残る〈私〉が相手を変える
     1 神のいない「人前劇場」
     2 〈みんな〉に向き合うには準備期間が必要
     3 「心の楽屋」を見つけるために

    第10章 人生を渡す
     1 自分を認める
     2 〈私〉が人生物語を紡ぎ出す
     3 〈私〉らしい人生物語を

    さいごに 心の専門家へ

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著者プロフィール

精神科医、臨床心理士、作詞家。
1946年淡路島生まれ。65年京都府立医科大学在学中にザ・フォーク・クルセイダーズ結成に参加、67年「帰って来たヨッパライ」でデビュー。グループ解散後は作詞家として活動。71年「戦争を知らない子供たち」で日本レコード大賞作詞賞を受賞。九州大学教授を経て現在白鷗大学学長。
著書『コブのない駱駝』『良い加減に生きる』他多数

「2021年 『「こころの旅」を歌いながら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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