硫黄島に眠る戦没者 見捨てられた兵士たちの戦後史

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000615877

作品紹介・あらすじ

アジア・太平洋戦争屈指の激戦地、硫黄島。しかし、本土から遠く離れたその地に兵士たちの遺骨一万体以上が放置されていることはあまり知られていない。遺骨の収容を望む遺族たちの切実な思いと、それを踏みにじり続けてきた政府――国家によって死地に追いやられた人々が死後もなお見捨てられる日本の「戦後」を問い直す。

感想・レビュー・書評

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  • TBSラジオ「session」で著者の栗原記者がお話しされていたのを聞き手に取った一冊。これまで硫黄島についてはほぼ知識がなく、映画も観たことがない。だからこそ、硫黄島に今もなお大量の戦没者の方の遺骨が残っているということを初めて知って驚いた。そして、その収容が困難なのは仕方のないことではなく、DNA照合等を行うことで可能になる部分もかなり多いにも関わらず、戦後80年近く経っても国が本腰を入れて取り組まないことが大きな要因であるということも初めて知った。
    硫黄島に限らず、シベリアや沖縄、南西諸島での遺骨収容が十分なされない状況。全てを永遠に探し続けることは困難だとしても、そこに一人一人の命と家族の想いがあることを認識し、誠実な対応をしなければならない。筆者が言うように、戦争はまだ「未完」である。

  • 95%が命を落とした

  • 2023.05.21 図書館

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著者プロフィール

1967年生まれ。東京都出身。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、同大学大学院修士課程修了(日本政治史)。1996年、毎日新聞社入社。2019年から専門記者(日本近現代史、戦後補償史)。著書に『戦艦大和 生還者たちの証言から』『シベリア抑留 未完の悲劇』(以上岩波新書)、『「昭和天皇実録」と戦争』(山川出版社)、『特攻 戦争と日本人』(中公新書)、『戦後補償裁判 民間人たちの終わらない「戦争」』(NHK出版新書)など多数。
2009年、第3回疋田桂一郎賞(新聞労連主催)、2018年第24回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞(同基金主催)を受賞。

「2022年 『戦争の教訓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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