- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001110463
作品紹介・あらすじ
森で道に迷った王さまを救い出したのは小人でした。小人はそのお礼にと、あるものを欲しがりましたが…。ドイツの昔話や伝説の収集家ベヒシュタインの童話は十九世紀後半の子どもたちにグリム童話と同様に好まれました。1960年代に再評価され始めた童話集より代表作十編を日本ではじめて紹介します。小学上級以上。
感想・レビュー・書評
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一時期はグリムより人気があったというベヒシュタインの童話集。確かにグリムみたいな残酷な描写や、性的な表現はない。けどさ、昔話が持つ強さも勢いも消えているのよ。
これ、今もドイツでは読まれてるのかな。岩波が出版したのが1990年だけど、復刊しなくてもOKと久々に思ってしまった。
読んでいる間中私の頭の中に響いていた言葉は「ニセモノ」。
表題作からして、「美女と野獣」そっくりなんだけど、娘が白いオオカミを探す動機が不明なので、しらける。
「魔法をならいたかった男の子」は「みつけどり」そっくり。「おふろにはいった王さま」「ウサギ番と王女」はアンデルセン。「ウサギ番」なんて「ブタ飼い王子」のパクリとさえ言え、両者が生きていたらアンデルセンが盗作で訴え、ベヒシュタインが負けるのは必至。・・・と思ったけど、調べてみるとベヒシュタインの方が若干早く生まれているのね。
だからどっちが真似したかわかんないね。昔話にあるのかな、こういうパターンが。高貴な人が欲のためみっともないまねをする、というような。
だれか教えて。
でも、昔話を読んでオリジナルの物語にする能力はアンデルセンが上。
むしろラングの『りこうすぎた王子』みたいなパロディだったらよかったのに。
まあ、メルヘン研究者は読んでおくといいかな、と思うけど、こんなの読むくらいなら、グリムの方がずーっといいことは言うまでもない。 -
魔法使い、ヒキガエル、鳥の骨、暗い森など、など、など・・・・。 ドイツの昔話には必ずといっていいほど登場するお馴染みの、そして独特の雰囲気を持つ人物やアイテムがぞろぞろ登場する楽しい童話集です。 どの物語を読んでもそこかしこにデ・ジャ・ヴ感が漂います。 うんうん、これよこれ! こういう何とも怪しげ(?)で、ワクワクやハラハラに満ちた物語。 これが幼かりし頃の KiKi を読書に惹き付けた魔法でした。
作者のベヒシュタインはグリムよりも日本では知名度が低いけれど、19世紀の後半のドイツではグリムをはるかに凌いで子供たちに愛されたのだとか。 どことなく説教臭さもないじゃないけれど、やっぱり多くの人に愛された物語というのは不思議な懐かしさをもって現代の私たちにもスンナリと入ってくるような気がします。 ま、おとぎ話特有の突飛なさはあるんですけどね(笑)
(全文はブログにて) -
頭が子牛で体がヘビ、
なのに体を切り落とすと
ばらいろの頬の美しい王子に変身…
などなど強烈な魔法話が目白押し。
小学生の時に買った本だけれど、
今読んでも十分おもしろいと思う。