ドリトル先生と緑のカナリア (岩波少年文庫 32)

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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140323

感想・レビュー・書評

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  • 冒険小説でありミステリでもあるこの作品は、最後まで先が気になって目が離せなかった。
    まあ、最後の最後はちょっと肩すかしではあったけれど、犯人の謎を解き明かすのが本筋ではないのでしょうがないか。

    ドリトル先生がその歌声にほれ込み、彼女のためのオペラをつくった、緑のカナリアのピピネラ。
    普通カナリアで鳴くのはオスなのだが、ピピネラはメスだって家事や育児に追われていなければ唄える、と。

    そんなピピネラの数奇な一生。
    籠の鳥として鳥屋で生まれ、宿屋に買われてからも、飼い主が点々と変わる。
    貴族の家、炭鉱の労働者、軍隊、裕福な未亡人、そして窓ふき屋。
    ここまでが第一部。

    第二部では一転、籠から飛び出し、野鳥として生きるピピネラ。
    しかし籠の中で生まれ育ったピピネラは、長い時間飛び続ける体力もなければ、風をやり過ごすすべも知らない。
    何よりもエサのありかもわからない。

    結婚して子を育てようと思ったり、誰にも頼らずたった一羽で生きていこうと思ったりしたものの、やっぱり自分は人間が恋しい。
    人間のそばで生きるように自分は生まれ育ったのだと気付くピピネラ。
    失踪してしまった一番大好きな飼い主の窓ふき屋を探す旅に出ることにする。

    第三部は、窓ふき屋との再会。
    しかしまたまた、ひとりと一羽は引き離されてしまう。
    こんどこそ窓ふき屋を見つけ出さなければ、とピピネラはドリトル先生にこれまでの出来事をすべて話す。

    ドリトル先生のもと窓ふき屋を探し出すために、犬のジップと雀のチープサイドも協力して…。

    籠の鳥としてのピピネラの生活も、野鳥としての生活も、そして窓ふき屋を探す冒険も、どれもこれも面白かった。
    時々ガブガブが口を挟んでは、周りのみんなに突っ込まれているところがいいリズムになって、中だるみになる部分がなかったのもよい。

    シリーズで一番好きかもしれないなあ。

  • ロフティングの亡くなった後、妻の妹のオルガが遺稿を整理した作品。厳密には著作者は二人。

    ドリトル先生のキャラバンで活躍した緑のカナリアのおいたち物語。
    行方不明の原稿を求めてというくだりも素敵。

  • 美しい声のカナリアのピピネラは、最初に飼われていた宿屋からお城に連れて行かれ、数奇な運命をたどる。

  • ドリトル先生のカナリア・オペラというのが実在するのであれば、たまらなく観たい。

著者プロフィール

1886~1947年。アイルランド人の母を持つ、イギリス生まれのアメリカの児童小説家。代表作は、この「ドリトル先生」シリーズ。2作目『ドリトル先生航海記』で、ニューベリー賞を受賞。

「2017年 『新訳ドリトル先生シリーズ全14巻セット 番外編『ガブガブの本』と日本初公開の短編もふくむ完全版 豪華BOX入り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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