ふたりのロッテ (岩波少年文庫 138)

  • 岩波書店
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感想 : 123
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141382

感想・レビュー・書評

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  • 地の文が独特で頭に入ってきやすい。
    登場人物のキャラ付けも面白かった。
    おてんばなルイーゼと小さな主婦のように落ち着いたロッテ。
    若く美しい母に指揮者で芸能肌の父。
    父との結婚を目論む女にちゃっかりした家政婦。
    離婚という子どもにとってはわりと重いテーマをさらりと、しかしわかりやすく描いている点は脱帽。

  • あるキャンプで出会った、あまりにも似通った二人の少女。出自について調べるうちに、実は血のつながりのある双子であることが判明する。少女たちのこころの動きや、入れ替わり作戦のスリルが、読んでいて興味をそそられる作品。

  • ★4.0
    ルイーゼとロッテ、離れて暮らす二人ともが双子の姉妹がいることを知らず、夏の林間学校で偶然に出会ってしまうのは出来過ぎと言えば出来過ぎ。が、そんなことがどうでも良くなるくらい、ルイーゼとロッテの二人が可愛らしく、二人の作戦をついつい応援したくなる。その反面、父親はロッテと、母親はルイーゼと接しながら、それほどの違和感を抱いていないのが「何だかな…」という感じ。それでも、母親がルイーゼに気付く瞬間は、思わずホロリとしてしまった。やたらと長文な各章のタイトルが面白く、テンポの良い池田香代子訳も楽しい。

  • 面白かった!
    ロッテってこんな話だったんだ。

    こどもたちの話だけど、きちんと大人たちの話でもある。そしてぜんぜん古くさくない。

    ほんとうの女の人はこわいのだ。

  • 少年少女に向けた、「子どもだまし」でない児童文学。
    家族が大好きな子どもたちにも、家に息苦しさを感じている子どもたちにも、子どもを「子どもに過ぎない」と思い込んでいる世の中の大人たちにも読んでほしい。作中のシャーリー・テンプルのエピソードが非常に象徴的です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「子どもだまし」でない児童文学」
      でも大人も騙されるくらい素敵な話ですネ。
      ケストナーの小説に登場する子どもって、機転が利き過ぎて、、、
      「「子どもだまし」でない児童文学」
      でも大人も騙されるくらい素敵な話ですネ。
      ケストナーの小説に登場する子どもって、機転が利き過ぎて、、、
      2012/12/25
  • ケストナーは苦手、というか、いまいち相性がよくないので、もう一生読まないだろうと思っていたのだが、齋藤美奈子が紹介していたのを読んで読みたくなってしまった。
    なるほど、少女小説とはいえ、なかなかに鋭いところをついたお話で、楽しく読みました。

  • いきなり「ゼービュール」なんて聞き慣れない村の名前の説明から始まってびっくりしましたが、ドイツ語特有(?)の名前に混乱しそうになるのを除けば岩波少年文庫の中でも読みやすい方だと思います。

    子どもたちが夏の休暇の間、親元を離れて共同生活をおくる「子どもの家」。こういうのに憧れたなあと懐かしく思いました。
    その後予想外の展開になり、最初に感じた文体の違和感も忘れ、ハラハラドキドキ、夢中になって読み終えました。
    訳者の池田香代子さんもあとがきに、「読み進めるうちに、独特のスピード感があって、こういうのもいいな、と思われたのではないでしょうか」と書かれていますがまさにそのとおりでした。

    大人が読む意味もあると思いますが、まずは、ロッテたちと同年代の子に出会ってほしい本です。

  • この本は、とても良かったです。ルイーゼとロッテの気持ちがとても分かりました。

  • 名作なので、題名とあらすじだけを押さえこれまで読んだことがなかった。半世紀以上前の作品なのに、瑞々しく感じた。
    両親の離婚は、いつの時代も子どもに暗い影を落とすのだな。お父さんの彼女がロッテとの女の戦いに敗れ去っていく。家族は元通り。夢のような結末っていいなと思いつつも、離婚して独身だったお父さんとお付き合いしていた彼女が少々気の毒に思った。でもそれもまた人生。子どもは強い。
    ケストナーが描く両親の離婚(と、再生)に、松谷みよ子さんが描いた「ももちゃんとあかねちゃん」を見た。どちらも秀逸だ。
    ドイツ語学習の一環で、ドイツ語原文にも当たりたい。

  • 子どものころからなぜかケストナーを敬遠してきたんだけど、ほんとにざんげしたくなった。ストーリーももちろんいいんだけど、ケストナーの地の文がほんとにいい。子どもに対しても大人に対しても、同じように人生の真実を説教くさくなく、でも甘ったるくもなく、ざっくばらんにユーモアを交えてかたるという。この本が、もう戦後4年の1949年にドイツで(ケストナーはナチスに目をつけられていて、いつひっぱられたり暗殺されたりしてもおかしくなかった)発表され、翌年には岩波少年文庫の第1回配本で邦訳された(当時は高橋健二訳)って考えるとほんとうに胸が熱くなる。
    「この世には、離婚した親がたくさんいる、そういう親のもとでつらい思いをしている子どももたくさんいる、また逆に、親たちが離婚しないためにつらい思いをしている子どももたくさんいる」
    という状況の親子を描いた物語。お父さんと、あの若い女の人の緊張感あふれるやりとりとか、セリフもぜんぜん子どもに対して手加減してなくてすてきだった。

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