- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001141757
感想・レビュー・書評
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(No.12-52) ランサム・サーガ新訳。上・下巻をまとめて書きます。
内容紹介を、表紙裏から転載。
『老水夫ピーター・ダックと、帆船ヤマネコ号で船出したツバメ号、アマゾン号の乗組員たち。初めて味わう海での航海は、不安と喜びでいっぱい。ところが不気味な海賊、ブラック・ジェイクがつきまとい・・・。』
ランサム・サーガ3巻目なのに、他の巻に先を越されなかなか出版されなかったのですがやっと出ました。
でも実はそれほど待ち遠しくなかったの。あまり好きな巻ではなかったので。
何故かというと他の話に比べ、現実離れしてるんだもの。
シリーズのほとんどの話では、期間があって、行動できる範囲が限定されてて、子供たちだけで行動しているように見えて大人のバックアップがある、等がリアル感をかもし出しています。でもこの巻はちょっと違う。
だけど最近、これは冬休みの間に彼らが作ったお話ではないのか?という説を知り、あ~そうかも!とにわかに興味がわいてきました。
そしてそのことは今回の訳者あとがきではっきり書かれていました。以前はどこにもそういうことは書いてなかったのですが。
「子供たちを、キャプテン・フリントが借りた船に招待して、彼らを楽しませるために暖炉をかこんで話して聞かせた物語ということになっています。冬の夜話です。」だそうです。著者はこの作品を「純粋のロマンス」と呼んでいたとか。
ここでいうロマンスは、伝説や歴史や伝記をもとに、英雄の竜退治とか巨人の戦いとか、英雄の信じられない危険な旅のお話。
作中作だったんですね!だったら当時でもありえないだろう冒険が次々に展開するということに納得です。
それを前提にこの物語を読むと、以前読んだときとは違う感想になりました。
お話を聞いている子供たちと二重写しのような絵が浮かんできます。安全なところにいて、寒い冬暖炉の側でわくわくしながら自分たちの活躍を聞いている子供たち。話の途中で疑問や意見が飛び交い、船長はそれをうまく織り込んでいった。そう考えると話の中でのフリント船長がやけに子供っぽいことにも理由があったのかと思えます。
ティティやロジャの満足する顔を思い浮かべ、彼らも小説の登場人物なのに実際にいる子供たちのように思っている私。
やっぱりリアルな物語だったわ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
下巻は、いよいよの発掘あり、嵐あり、地震あり、襲撃あり、とどめは大海の竜巻。まさしく「冒険」にふさわしい内容です。結構ハードボイルドなシーンもあって、読んでいて「いてっ!」と悲鳴を上げたくなったり…。
あ、それから、最後のほうでシー・シャンティ『スペインの淑女』の歌詞をピーター・ダックが解説するシーンがあったけど、「へえ〜、そうだったんだぁ」。地理と地学のお勉強になりました。
通しての感想は「キャプテン・フリントはだれより子ども」。ちょっと太めで髪の毛薄めのおじさん、かわいいというのか、困り者というのか。海軍士官らしいウォーカー家のお父さんとは、同じ海の男でも全然違うタイプらしい。 -
津波来ないのが?