時の旅人 (岩波少年文庫 531)

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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145311

感想・レビュー・書評

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  • 7月19日から8月9日にかけ、4回にわたってclubhouse内で実施した読書会のテキストとして購読したもの。16世紀のエリザベスとメアリー、2人の女王が「対立」していた時代に迷い込んだペネロピーと、それぞれの時代での人々との交流と生活を描いた作品。読む前には、波乱万丈な冒険譚なんだろうと思っていたが、むしろ静謐な作品だった。16世紀のサッカーズに生きるメアリーやアンソニーの運命を知りながら、それを変えられないことも受け入れつつ、ペネロピーは成長していったのだと思う。傑作。

  • 物語のティータイム、に出てきたお話のなかで未読と思われたもの。イギリスの田舎の農場の、暖炉を囲んで用意される食べ物の描写はたしかに美味しそう。そして、さまざまなハーブや草花の匂いが匂い立ってくるような、素敵な描写でした。

  • 話のテンポがゆっくりでした。

  • 中学の時に音楽の授業で歌った合唱曲と同じ名前だったので読んでみた。

  • すてきな物語だった。主人公の時の旅が,自分の大切な思い出のように感じられる。

  • 児童文学としては切ない内容のものです。
    病弱で夢見がちな少女が見る
    数百年前の時代の物語です。

    もう起きてしまった歴史は、変えることができません。
    できちゃあいけないのです。
    ほらほら、ある映画でもタブーがあったでしょ?
    「その時代のものを持って行ってはいけない」
    それと同じようなものです。

    実際に変えようとはしたけれども
    彼女にはできなかったのです。
    ストッパーがかかるんですよね。

    そして、現実では姉の言葉が刺さるのです。
    そう、いくら体が弱くても
    これからは自分でいろいろと決めないと
    いけないのですよ。
    残酷だけれどもね。

  • 作者が幼い頃過ごしたイギリスの農場を舞台にしたタイムスリップものです。

    病弱なペネロピーが療養の為に来た田舎で過去の時と現在の時を行き来する物語。
    彼女が特別な活躍をする訳ではないですが、双方の世界を自分の意志とは無関係に行き来し、真摯に話を聞き、最後には戻らずそこで生きていたいと考える描写が切ないです。

    幽閉されたスコットランド女王メアリ・スチュアートをエリザベス女帝の手から解放しようとする人たちの話にも段々と感情移入してしまいます。
    ペネロピーを温かく迎えてくれる人々がとても優しく
    風景や生活の描写もしみじみとした良いものでした。

    時間という概念は不思議なものですが、そんな概念についてもふと考えてしまう物語です。

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  • ロンドンの少女が、サッカーズでの田舎暮らしをしている間に、何百年も前の“時”に紛れ込んでしまう。その“時”と今の“時”とを行きつ戻りつする中で、美しい自然と、命を繋げているそれぞれの人々の息吹が聞こえて来る物語。

    読み始めは、まさか自分が完読出来るとは思わなかったが、サッカーズの館や自然が眼に浮かぶ様になってからは、少しずつ少しずつ、風景を大切にしながら読み進める事が出来た。

  • 子どもの読み物とは思えん…
    裏の(?)主人公、メアリー・スチュワートは直接出てきて動いたり喋ったり殆どしない。ただ、誰かの眼や語りを通じて描写されるだけだ。その扱われ方がそのまま高貴な身分のアナロジーになっていて、かつ、それが一層、過酷な運命に翻弄された存在であることを際立たせる効果になっている。

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著者プロフィール

アリソン・アトリー 1884年、イギリスのダービシャー州の古い農場に生まれる。広い野原や森で小動物とともにすごした少女時代の体験をもとに、多くの物語やエッセーを書いた。日本語に翻訳された作品に『グレイ・ラビットのおはなし』『時の旅人』(以上岩波書店)、『チム・ラビットのおはなし』(童心社)、「おめでたこぶた」シリーズ、『むぎばたけ』『クリスマスのちいさなおくりもの』『ちゃいろいつつみがみのはなし』(以上福音館書店)など多数。1976年没。

「2020年 『はりねずみともぐらのふうせんりょこう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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