- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001156232
感想・レビュー・書評
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ナチス高官の父親がユダヤ人収容所で勤務することになり収容所近くに家族で引っ越して来たブルーノ。
何の偏見も予備知識もないブルーノが、使用人や友だちになった収容所内の少年と交流し、ナチスの傲慢さやそれに同調する姉に疑問を覚えていくことに共感した。児童書だけど先が気になりのめり込んだ。
全く想像しなかった結末に呆然。 -
軍人の父を持つブルーノは、住み慣れたベルリンから父の仕事の都合で引っ越すことになる。新しい家は住み心地も悪く、窓の外にはフェンスに囲まれた場所に縞模様のパジャマを着たたくさんの人がいるのを見つけ、不可解かつ気味悪く感じる。
ある日ブルーノはフェンスの向こうにいる縞模様のパジャマを着た少年シュムエルに出会う。二人はフェンス越しに友情を深めていく。
何も知らないブルーノの無邪気さも、絶望の最中でもブルーノとの関わりに喜びを見出すシュムエルもどちらも哀しい。大人の始めた戦争に無垢な子供達が抗うこともできずに巻き込まれていくやるせなさ。キッチンで2人が遭遇するシーンは、ブルーノの弱さや保身を恥じる気持ちに胸が締め付けられるような感覚でした。
無知なブルーノは時として残酷だが、だからこそ二人の間に友情が芽生えたのだと思う。
物理的にはフェンス越しの二人だったけど、二人の間に「フェンス」などなかった。人と人との間に存在する「フェンス」は何なのか。なぜ生まれ、それを乗り越えるために何ができるのか。
そのことを問いかけるあとがきも、とてもよかった。 -
ブルーノとシュナムルの噛み合わない会話が、まさにマジョリティとマイノリティの会話そのものでつらい。
シュナムルがブルーノを収容所に誘うシーンでは、禁じられた遊びが頭をよぎった。あれは苦難からたまたま逃れられている隣人への怒りのような話だから、全然違うけど。
マイノリティを死に追いやるような社会は、マジョリティだってなにかの拍子に殺すのよ。 -
軍人の息子・ブルーノは、父の仕事の都合でベルリンから引っ越してきた。家の裏手にあるフェンスに囲まれた土地、縦縞模様のおそろいの洋服を着た人々…。新しいくらしに馴染まないブルーノは、ある日フェンスの周りを探検に出かけ、縞模様のパジャマを着た少年と仲良くなるのだが…。胸を突かれるような衝撃のラスト。過ちに気づくのはいつだって、すべてを失った後なのです…。
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児童書あっぱれ!史実を元に、凄惨な話にしかなり得ないものをブルーノとシュムエルという9歳の同じ誕生日に生まれた2人の男の子の友情物語を描いたこの本はすごい。最後は衝撃な終わり方をするが、知らなければ理解できないかも。それでもぜひ子ども達に読んでもらいたい。そして歴史を忘れずに考えてほしい。いつか物語の終わりと事実とが繋がることを願う。
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子供の視点がとてもリアリティを持っていた。
最後まで優しい子供たちでよかった。
故に許せない。 -
収容所で、支配する側の子と、される側の子が触れ合う。
とてもつらい話。
自分の立ち位置を、隠さずに教えておくことの大切さを知る。 -
児童書。
子供がはじめて読むのに、ふさわしい。
知らなければ分からないことばかり。
だから、ブルーノと共感できることが多いのではないか。
そうして、少しずつ知っていくのがいい。