- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001164244
作品紹介・あらすじ
4か月前、ぼくとママはキャンピングカーで暮らしはじめた。アパートを追い出されホームレスになったんだ。ところが一時的なはずの車上生活は長引き、しだいに身も心も追いつめられていく。親友に噓をつくのも、もう限界! TV番組に出て賞金を獲得すれば何もかも解決する――ぼくはそう信じた。少年の涙と希望の物語。
感想・レビュー・書評
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フィーリックスは、警察にいた。なぜ彼と母のアストリッドは警察に捕まることになったのか、フィーリックスは語りだした。
始まりは、数ヶ月前。モルモル(おばあちゃん)が亡くなった。それからアストリッドが職を失い、フィーリックスたちの生活は転がり落ちるように悪くなっていった……。
はじめからずっと、母のアストレッドにうんざりしっぱなし。なにもかも自分は悪くないといい、プライドだけ高くて、公共の援助に頼ろうとしない。もちろん、過去に嫌な目にあったということはあるだろうけど、それにしても、もう少し子どものことを考えてほしい。フィーリックスに亡き兄の姿を重ねて甘えてるようにしか見えない。この母について、フィーリックスの見方は的確だ。「アストリッドは、子どものころ、信じられる人に出会えずに大人になった。」これに尽きる。
いい親じゃないとわかっていながら、それでも母親が好きなフィーリックス。フィーリックスの思いの変化が細かく描かれていて、すごくよく伝わってくる。一番辛い場面は、フィーリックスが万引きをする場面だ。母の万引きを目撃して、この上ない嫌悪感、罪悪感を抱くのに、次第に万引きに対する抵抗も減ってしまうのが悲しい。
しかし、カナダのクイズ番組ってすごいな。商品とか、参加者にホテルが用意されてるとか。夢がある。
訳者あとがきにもあったけれど、カナダというお国柄もあり、「好きな子ができたんだ」「男の子?女の子?」というやりとりがいいなと思った。 -
母親のアストリッドがいくらなんでもひどすぎやしないかと思うのだけど、たしかに「助けてほしい」って言えるのは強い人ではあるんだよね。逆説的なようだけど、自分の弱さを認められる強さがないと、なかなか支援を受ける方向に踏み出せないのかもしれない。
フィーリックスは、食料品店の夫婦など、母親以外の頼れる大人がまわりにいることや、ディランとウィニーという本気で心配してくれる親友がいることが本当に幸運だった。 -
YA小説はやっぱりいいなぁ。
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世渡り下手なお母さんにイライラしてしまいました。でも、友達や地域の大人がすごくいい!
私もあんな大人でありたいと思います。
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お母さん(アストリッド)しっかりしてー!!
とつい応援したくなってしまう。
フィーリックスがいい子すぎて、応援してしまう!
フィーリックスの友達もいい子で、友達大切だと感じた。
とても読みやすかった。