蕪村俳句集: 付「春風馬堤曲」他二篇 (岩波文庫 黄 210-1)
- 岩波書店 (1989年3月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003021019
作品紹介・あらすじ
俳人は自分の句集など出さなくてもいいというのが蕪村の口癖であったが、実はひそかに自選句集を書き進めていた。しかか死によって未刊、しかもひとり娘の婚嫁の資として頒布されてしまう。長年にわたり自筆句集を求めていた校注者は、約7割を復元、本文庫には、その1055句に「春風馬堤曲」など俳詩3篇を加え一本とした。
感想・レビュー・書評
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一枚絵の気になる部分をズームアップして取り上げる楽しさを味わえます
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春・夏のがいい。遺筆はひとつ格がおちる。芭蕉のあとによむと、最初はあたらしみを感じるが、途中でお腹一杯。
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ふと、俳句でもヒネるか・・・と思ったのと(なぜ(笑))、杉浦日向子さんの本(「粋に暮らす言葉」)で引かれていた句がよかったので、与謝蕪村の句集を読んでみる。
その句、「斧入て香におどろくや冬こだち」のほか、有名な「春の海終日のたりのたりかな」「菜の花や月は東に日は西に」などはいいなと思うけど、それ以外はどうも教養の産物、あるいはそのまんまやんけとしか感じられなくて、あんまりピンと来なかった。(自分の読解力が)残念。 -
サプリ的な
(結局買わず) -
かはほりのふためき飛や梅の月
※かはほり=こうもり
むめのかの立のぼりてや月の暈
※むめ=梅 か=香 暈(かさ)
十七文字からたちのぼる情景に脱帽。
とはいえやはり解説があった方がきっちり理解できますな。解説を伴わないがゆえに分厚くならずに済み、なおかつ見やすく値段も手ごろという利点はあるにせよ。
浅学非才の徒にいきなり註釈のみの江戸俳諧は少々ハードルが高うござった模様。
しゃーなし、角川ソフィア文庫の『蕪村句集』も買い求めましょうかね。 -
簡素と言うか、お花で例えると桜じゃなくて梅。2月にぱりっと咲く梅。そんな雰囲気がする俳句たちでした。
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●10代だった頃からいちばん好きな俳人は与謝蕪村の一点買い。
王朝風味の色気と優美さは空前絶後と言わざるを得ない。とか言う人間は、おおむね芥川龍之介も好きなんじゃないかと思います☆
まあちょっと中二病入ってると言われても仕方のないことですけどねえ。
●昔から好きな句はこちら。
「月天心 貧しき町を通りけり」
「ゆく春や おもたき琵琶の抱心(だきごころ)」
「閻王の口や 牡丹を吐かんとす」
「御手討の夫婦なりしを 更衣(ころもがえ)」
「ゆくはるや 同車の君のさゝめごと」
●うーんうーん、どれもこれも視覚的に鮮烈で美しい。
今回ひさびさにパラパラめくったら、他にも素敵な句がちらほらとあり。
ド素人にも背後の物語が想像できます。
しかしなぜか、メジャー句の「菜の花や 月は東に日は西に」は、そんな好きでもないんだなー。句の調子が良すぎるのが原因だろうか。
なお、ずっと「同車の君」を「牛車の君」と勘違いしてたのは内緒・・・・・・・・。