- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003101230
作品紹介・あらすじ
「努力している、もしくは努力せんとしている、ということを忘れていて、我がなせることがおのずからなる努力であってほしい」。何かをなそうとしても、ままならぬことの多いこの世の中で、いたずらに悩み苦しまずに、のびのびと勢いよく生きるにはどうすればよいか-達人露伴の説く幸福論。
感想・レビュー・書評
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アバタローさん
1940年
著書は明治末期に発表された人生論
努力の仕方、幸福に生きるための方法
仕事を失ったり借金を背負ったりして苦しんでいた人々を励まし、立ち上がってほしいという思いで書かれた本
《著者》
日本近代文学の文豪の一人
東京都1867年生まれ(翌年明治が始まる)
幸田家は代々江戸幕府に仕える大名の世話係で、幕府崩壊とともに生活の基盤が失われた
お金の問題で2回中途退学するが、負けじと小説家になった苦労人
「小説真髄」に影響を受ける
明治を代表する文豪に文化勲章を受けた
《内容》
○好きという感情の限界
好きとは意思の感情が重なり合った状態を意味している
一方努力とは嫌なことをしのび、苦しい思いにも耐え、それでも事にあたるということだ
解釈が違う
努力を避けて通ることはできない
なぜなら自分にとって好きなことであっても、何らかの事情によって苦痛に感じたり、やめたくなったりする瞬間が訪れるからだ
純粋に好きという感情だけで、大きな何かなすことは実際の人生ではほとんど起こりえない
凡人にとっては努力こそが唯一の味方だといえるだろう詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
#2687-449
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努力とは、それを努力と思わないものである。私は根っからの努力論者なので、露伴の意見に共感したし、また努力の実践において発見もいくつかあった。人におすすめしたい一冊だった。
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努力には直接の努力と間接の努力があり、「努力しても結果が出ない」のは間接の努力(準備)が足りないから。
間接の努力として、自己の革新、福の惜・分・植、着手の処、最高志望、散る気の阻害、張る気の持続が大切。
とてもよい本です。 -
幸田露伴 「努力論」
努力より運命に関する記述の方が印象に残る。運命があるか否かではなく、運命を人間の力によってどうひき出すかに目付けしている。
著者は 人間の力で運命をひき出す方法を2つ提示
*英雄のように「運命を造る」
*何事も原因を自己に帰する(自己の掌より紅血を滴らす)ことで 「運命の断片である好運」を招く
運命を造る、自己の掌より紅血を滴らす という表現に、運命をひき出すには、自己の主体性を前提とした 大きな犠牲や手間を必要とする著者の強いメッセージを感じる
著者は 運命を時間や有限性から捉えている。一日が始まれば一日が終わる時が来ること、人が生まれれば死ぬ時が来ることなどを運命としている。好運、否運は 運命の断片を 人間が評価した事象にすぎないとしている。
成功者と失敗者の運命の捉え方の違いは興味深い
*成功者は自己の力を運命と捉え、失敗者は運命の力を自己と捉える
*成功者には自己の力が大に見え、失敗者には運命の力が大に見える
名言「自らを責むるほど、有力に自己の欠陥を補うことはなく〜有力に他の同情を惹くことはない〜自己の実業を成功に近づける」
名言「努力の堆積〜努力より他に未来を善くするものはない〜努力は即ち生活の充実、努力は即ち生の意義である」
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何を言っているのかちょっと理解できなかった。最後、努力関係なくなってるように思われたけど、気のせいかもしれない
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古典
哲学 -
■書名
書名:努力論
著者:幸田露伴、夏川賀央
■概要
本書には惜福、分福、植福から成る幸福三説をはじめ、
自分を改造する二つの方法、成功の大きさを測る目安など、
どんな状況にあっても最も強いパワーを発揮するための極意が説かれています。
(amazon.co.jpより引用)
■気になった点
なし -
悩んだり迷ったりした時に、頼りになる本を探しているなら、この本がお勧めですね。
内容はとても難しいですが、某哲学書のようにチンプンカンプンでは無く、理解できる所は非常に納得感があります。読み返してみて、わかる所が増えると、とても嬉しい気分になります。
How To 本のように「必ず~」とか「きっと~」と簡単にコミットせず、「努力すれば好転するかもしれない」っていう感じも好感がもてます。
露伴の文章は、「これぞ日本の知性・教養」という感じで、読み応え充分です。