- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003105573
感想・レビュー・書評
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「陰翳礼讃」と「懶惰の説」がよかったかな。夏目漱石氏と永井荷風氏の作品評は、元の物語は未読だったのだが楽しめた。
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完成されたその世界を構築するにあたる基本理念を確認
陰影礼賛を読みたくて。陰影礼賛を読むのであれば、中公のものを読むか、もしくはこちらか。中公の方が表紙を見て一目でわかるな、と思います。
ただ、私の家には岩波の「「いき」の構造」があり、本棚の中の「日本や日本人の考察」エリアに属するとなると岩波で揃っている方がビジュアルバランス的には好ましい。
ということで岩波版に致しました。
まあ「菊と刀」の岩波版が無いので別に岩波にこだわらなくても良いということに気付きましたが。
陰影礼賛のラストにあるこの決意表明が印象深かったです。
私は、われわれが既に失いつつある陰影の世界を、せめて文学の領域へでも呼び返してみたい。
文学という殿堂ののきを深くし、壁を暗くし、見え過ぎるものを闇に押し込め、無用の室内装飾を剝ぎ取ってみたい。
この思いをもって、数々の作品を書き上げたことでしょう。
前後して、刺青を読み返したこともあり、短い文章の中で完成された世界観、その世界を構築するにあたる基本理念を確認することができたな、という気持ちです。
既に洋風建築で作られた私の部屋で陰影を楽しむには、やはり間接照明を導入し、部屋の隅々まで煌々と灯りの力が届かないように操作すること。
その中で、漆器でお味噌汁を飲みたいな、という気持ちにさせられてしまいますね。
イメージはできつつある、自分の求めるくらしのイメージ。
くらし系の本をこれから数冊読もうと思っています。
このイメージを具現化していく手段のヒントがつかめるといいな。 -
売ってたようなので買い直した
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陰翳礼賛は日本文化についての批評。
大阪について,恋愛についてと文人の感性を堪能できる随筆集。 -
懶惰の説に共感。決して怠け者でない作者が怠け者を礼賛する。
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「私のみた大阪及び大阪人」がいいです。いまは新幹線で日帰りになってしまって距離感も少なくなってしまった。風情というか比較の愉しみも少なくなった。
さすが文豪。冴えわたっています。
そうか。大阪弁には確かに「てにをは」が無いな。 -
陰翳礼讃。トトロの「まっくろくろすけ」は、谷崎潤一郎が生み出したものだと信じています。
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いつもの調子の谷崎。つまりエロじじい。
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耽美派のイメージが強いけれど、この人の文章は本当に美しい