羅生門/鼻/芋粥/偸盗 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003107010

作品紹介・あらすじ

王朝末期の荒廃した都を舞台に展開する凄惨な人間絵巻「羅生門」、師漱石も賞賛した、長い鼻を持つ禅智内供の内心の葛藤「鼻」、芋粥に異常な執着を持つ男「芋粥」、女をめぐる盗賊の兄弟の確執「偸盗」。いずれも『今昔物語』『宇治拾遺物語』などに素材を得たもので、芥川王朝物の第一冊として編集。

感想・レビュー・書評

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  • なぜか読み返したくなる 鼻

  • 平安京、陰鬱雨天の羅生門下、雨宿りする男がひとり。荒廃都城・羅生門が楼閣に巣食う骸の髪抜く婆見た男は…邪心と良心の葛藤を活写した日本近代文学の金字塔!

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  • 王朝末期荒廃した都を舞台に人間の醜い部分を描いた短編集。子供の頃に読んだ時よりはもっと本質的に理解できるのではないかと思ったが、子供の頃と感想に大きな差はない。

  • 人間って感じが出てて良い

  • 芥川龍之介『羅生門』1915
    芥川龍之介『鼻』1916

    人間は時として、満たされるか満たされないかわからない欲望のために一生を捧げてしまう。しかしその愚を笑う人は、つまるところ、人生に対する路傍の人に過ぎない。芥川龍之介『芋粥』1916

    お釈迦様は地獄で苦しむ罪人・犍陀多(カンダタ)を救うため、地獄の底に蜘蛛の糸を垂らす。カンダタが細い糸を登り始めると、下から多くの罪人がわらわら登ってくる。カンダタ「お前たちは下りろ」と叫ぶと、糸が切れてしまった。芥川龍之介『蜘蛛の糸』1918

    芥川龍之介『地獄変』1918

    複数の人の証言から犯人を捜す。ミステリー。芥川龍之介『藪の中』1922

    人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは莫迦莫迦しい。しかし重大に扱わなければ危険である。▼われわれの行為を決するものは、善でも悪でもない。ただわれわれの好悪である。快不快である。芥川龍之介『侏儒の言葉』1927

    老人になっていつまでも生きる。こんな悲惨な事はない。死は人間にとって一つの救いである。菊池寛

    菊池寛『恩讐の彼方に』
    菊池寛『父帰る』

    川端康成『伊豆の踊子』

    なんとなく好きで、その時は好きだとも言わなかった人のほうが、いつまでもなつかしく忘れないものだ。川端康成『雪国』1948

    別れる男に、花の名を一つ教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。川端康成『化粧の天使達・花』

    どれだけ現世を厭離(えんり)しても、自殺はさとりの姿ではない。川端康成『末期の眼』

    ※大正、新思潮。理知的。

    横光利一りいち

  • 『羅生門』『鼻』『芋粥』『偸盗』。1文が短く、無駄なく、小気味がいい。短中編だが、どれも読みごたえがあり、余韻もある。
    とくに『芋粥』が気に入った。欲望は叶えられないうちが花なのだ。
    『偸盗』は映画のような場面転換の妙。死に行く者と生まれ来る者が重なるラスト。筆一本でこれだけのシーンをつくり出すとは。もっとたくさんの作品を読んでみよう。

  • 模試で出ていた『芋粥』が読みたくて読みました。ゴーゴリーの『外套』を読む前後で少し読後感が変わったような気がします。読む前は「健気な爺さんだな」と思っていましたが、『外套』を読んだあとでは「可哀想な爺さん」だなと思うようになりました。

  • 偸盗が個人的に好きな作品です。疾走感のある展開が楽しく、映画を1本観たような満足感がありました。

  • 羅生門は教科書で読んだことがあったけど、当時なかなか刺激的な内容と雰囲気だった。

    芥川龍之介はもちろん知ってるけど
    私の中では作品とは結ばれてなくて、
    有名な偉大な作家、みたいな存在の人で

    そんな人がたまに、作者は…とか言って話の中に
    突然登場するとちょっとおかしかったな

  • 24.06.2021 読了

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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