- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003111611
作品紹介・あらすじ
近代日本を代表する日本画家の1人であり、エッセイストとしても声価の高い鏑木清方(1878‐1972)の珠玉の随筆集。下町の風俗と文学をこよなく愛した清方が、元旦から大晦日まで春夏秋冬四季折々の風物への想いをつづる59篇を精選。自筆のスケッチを多数収録。
感想・レビュー・書評
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絵のある 岩波文庫
鏑木清方 随筆集
東京の四季折々の姿を綴った随筆
夏の随筆がすごくいい。季節感覚と美的感覚が溶け合った感じの文章で、美人画「築地明石町」とピッタリ合う名言の数々
「女性も風情の一つに過ぎない〜風情とは、物象に対する審美的精神を経た間隔の現れで、詩情画趣を兼ね備えた感じを指すもの」
「美人画家であっても〜画心は 季節の感覚、草木の魅力から誘発される〜いつも人体の美だけを捉えて画にするというのは 稀な作例」
「夏は美しいと同様に涼しそうという感じを起こさせるのが審美意識」
「若い娘が人妻になってゆくように、春の俤は〜みどり葉の影の濃い夏の姿に変わってゆく」
藍色の手拭を買ってみようと思う
「四季を通じて夏だけは、出来るだけ贅沢をしたい慾望を持つ〜手軽な道楽は手拭〜藍にまさる色はない」
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近代日本美術の代表的日本画家、鏑木清方の残した古き良き東京の風景を集めた随筆集である。
美人画を始め数々の風景や人物画を描いた清方は、文章でも軽妙な筆致で当時の世間を書いていった。
春夏秋冬でそれぞれ季節の移り変わりを書いている。
特に「町の鑑賞」の項。
「いい車は不思議にいい町を通る。いやな車はいやな道を通る」という洞察に感銘を受けた。 -
10位。
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<a href="http://www.super-jp.com/bookpick/words/archive/20050626.html">日記的用語集「大竹伸朗」</a>参照。