鏑木清方随筆集: 東京の四季 (岩波文庫 緑 116-1)

著者 :
制作 : 山田 肇 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 91
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003111611

作品紹介・あらすじ

近代日本を代表する日本画家の1人であり、エッセイストとしても声価の高い鏑木清方(1878‐1972)の珠玉の随筆集。下町の風俗と文学をこよなく愛した清方が、元旦から大晦日まで春夏秋冬四季折々の風物への想いをつづる59篇を精選。自筆のスケッチを多数収録。

感想・レビュー・書評

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  • 絵のある 岩波文庫
    鏑木清方 随筆集

    東京の四季折々の姿を綴った随筆

    夏の随筆がすごくいい。季節感覚と美的感覚が溶け合った感じの文章で、美人画「築地明石町」とピッタリ合う名言の数々

    「女性も風情の一つに過ぎない〜風情とは、物象に対する審美的精神を経た間隔の現れで、詩情画趣を兼ね備えた感じを指すもの」

    「美人画家であっても〜画心は 季節の感覚、草木の魅力から誘発される〜いつも人体の美だけを捉えて画にするというのは 稀な作例」

    「夏は美しいと同様に涼しそうという感じを起こさせるのが審美意識」

    「若い娘が人妻になってゆくように、春の俤は〜みどり葉の影の濃い夏の姿に変わってゆく」



    藍色の手拭を買ってみようと思う
    「四季を通じて夏だけは、出来るだけ贅沢をしたい慾望を持つ〜手軽な道楽は手拭〜藍にまさる色はない」





  • 近代日本美術の代表的日本画家、鏑木清方の残した古き良き東京の風景を集めた随筆集である。
    美人画を始め数々の風景や人物画を描いた清方は、文章でも軽妙な筆致で当時の世間を書いていった。
    春夏秋冬でそれぞれ季節の移り変わりを書いている。

    特に「町の鑑賞」の項。
    「いい車は不思議にいい町を通る。いやな車はいやな道を通る」という洞察に感銘を受けた。

  • 10位。

  • <a href="http://www.super-jp.com/bookpick/words/archive/20050626.html">日記的用語集「大竹伸朗」</a>参照。

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著者プロフィール

鏑木清方(1878.8.31~1972.3.2)日本画家、随筆家。東京神田生まれ。父、條野採菊は『東京日日新聞』(現・毎日新聞)の創立者の一人。91年、永野年方の許に入門。挿絵画家を目指す。1901年泉鏡花と知り合う。25年「朝涼」(第六回帝展)、27年「築地明石町」(第八回帝展、帝国美術院受賞)出品。37年、帝国芸術院が設置され、芸術院会員となる。54年、文化勲章受章。70年、照夫人逝去。72年、鎌倉雪ノ下の自宅にて逝去。
98年、清方の旧宅跡に鎌倉市鏑木清方記念美術館開館。



「2018年 『紫陽花舎随筆』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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