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- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003211717
感想・レビュー・書評
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新書文庫
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「攻城主」デメトリオスとアントニウスの対比列伝、プラトンの友人ディオンとブルートゥスの対比列伝を収める。前者の列伝は、「大きな悪も大きな徳と同様に偉大な天性が生ずるものだ」ということを実証するために書かれたという。そのため、二人の乱脈な生活、デメトリオスはアテナイの神域に愛人を連れ込み悦楽に浸ったこと、アントニウスはクレオパトラとの恋愛で大事を逸したことが克明に描かれる。後者の列伝では打って変わって、独裁政治打倒に尽力した人が主題である。ただし、プルタルコスは、ディオンは自分がひどい目にあわなければ独裁者の打倒のために動くことはなかっただろうが、ブルートゥスは公の利益のためだけに厚遇してくれたカエサルの暗殺計画に加わったとして、ブルートゥスを擁護している。ブルートゥスの評価については、ダンテの地獄編と比べるのが最も分かりやすいだろう。
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