デイヴィッド・コパフィールド 1 (岩波文庫 赤 228-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003222812

感想・レビュー・書評

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  • モームによって「世界十大小説」の一つに選ばれた,デイヴィッド・コパーフィールドの第1巻.以前から,どうもディケンズは話をあまり練らずに行き当たりばったりで書いているような気がしていたが,この第1巻も前半は今一つのめりこめず,なかなか読み進まなかった.しかし中盤の大事件を境に話が転がりはじめ,後はイッキである.

  • 大手町の丸善で、モームさんもお勧めていうのを
    ふと思い出し、
    なんとなく買ってみた、1巻。

    これが面白くてのめりこんで、あっという間に読了間近、

    でも家や会社の近くの本屋では売っておらず、
    やっぱり会社の帰り遠回りして、残り4巻お買い上げ!

    それから引き続きのめり込み、
    ターボエンジンがかかった様な勢い、
    まるで海の中を弾丸の様に進むペンギンの如く!

    詳しいまとめは5巻で。

    1巻は、ディヴィッドの母親の再婚相手と
    その姉が、抜け目がなくて意地悪で頭痛がしてくるほど。

    今、この時代でも
    あるときから急に、あるいは気付いたら、
    自分が暮らしている家庭が不当に厳しく、
    逃げ道がなく、苦しんでいる小さな人たちがいる、
    そんなことが悲しいニュースとなって流れてくる昨今、

    その実情はこういうこと、とはっきり突き付けられた、
    という気持ち。

  • 読ませる。

  • 読みやすい文体。後半になると主人公がキツい環境に巻き込まれて、今後どうなるんだろう。早速二巻を読んでみたくなった。

  • ■『デイビッド・コパフィールド』(1~5) チャールズ・ディケンズ著 岩波文庫

    【後編 メシヤ再降臨準備時代】
     英国の文豪、チャールズ・ディケンズの自伝的小説。個人的には特別敬愛している作家です。作品はどれも大衆小説に分類されます。芥川賞じゃなくて、直木賞のジャンルです。これは岩波文庫でも1巻400ページの5巻からなる小説なので、最後まで読むのは結構根気がいりますが、文章の巧さとプロットの上手さで最後まで読ませます。善悪二極化の構図はアメリカ的ですけど、ルーツから言えばこちらが元であって、ピューリタン的なんでしょうね。
     ディケンズの味は人物描写ですが、原理の理解という面から言えば、時代背景の理解というところでしょうか。産業革命の影響で、近代化が天を衝くように進み、しかしその反面富が偏り、光の届かない社会の闇がより深くなっていった時代でもあります。

     デビッド・コッパーフィールドというのは主人公の名前。デイビッドが生まれるところから話は始まります。ストーリーは細かく特に人間関係が複雑なのでここであんまり語るのも疲れちゃうんですが、家庭の不幸が続くんですね。孤児のようになりながら、ボロ雑巾のようにおばさんの元にたどり着くところはジーンとします。とにかく人が入り乱れます。しかしそんな中でも人物描写はあったかい。社会の隅で忘れ去られたような人たちを、綺羅星のように生き生きと描く。この手腕はディケンズのギフトですね。ディケンズの作品には社会風刺がふんだんに含まれていますから、当時の背景を知るにも有用です。人物の描き方なんかは、同国出身のC.S.ルイスなんかと通じるものがあると思うんですが、ルイスはディケンズの作品をほとんど読まなかったそうですね。挿絵が嫌いだったそうです。『ナルニア国物語』もどっこいだと思いますが。ナルニアの著者がルイスですね。
     話がそれましたけど、そんなデイビッドが社会に独り立ちし、愛する人を得、結婚をします。しかし体の弱かった妻は数年の結婚生活の末に他界してしまいます。愛する人を失った衝撃で、放浪をしボロボロになっても涙の枯れないデイビッドでしたが、最後には本当の愛をつかみ、その物語は終幕を迎えます。

     原理講義の直接的な資料にはなりにくいですね。こういう風に見ていると。でもこういうものの積み重ねが、深い歴史理解になります。ちなみにBBCだったかで映像化されました。99年ぐらいだったと思いますが。主人公のデイビッドは、ハリーポッターのダニエル・ラドクリフです。まだハリーをやる前でクリクリで可愛いです。ベッツィーおばさんはマグゴナガル先生がやってます。3時間ぐらいの内容に詰め込んでいるので、人物の掘り下げはちょっと甘いですが、原作が好きなら、全然楽しめます。一応薦めておきます。
     

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003222814
    ── ディケンズ/石塚 裕子・訳《デイヴィッド・コパーフィールド〈1〉20020716 岩波文庫》
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%C7%A5%A3%A5%B1%A5%F3%A5%BA
     

  • たまに読みたくなる作品。長さを感じないし、何度読んでも新な発見があり名作。
    特に好きなのはデ゛イビットの子供の頃。
    デイビット以外にも魅力的な登場人物がいっぱい!悲しいシーンもあるけど、最後はハッピーエンドというのも好きなところ。
    これを読むと人生って浮き沈みがあるなぁと思う。どんなにツライことがあっても、前向きに頑張ろう!と思える作品。
    一番印象深いのが、無敵と思えていた伯母さんに夫がいて、さらに夫には弱いというところ。ストーリーの筋には関係ないけど、伯母さんの人物描写が深くなったエピソード。ディケンズってやっぱりすごいなと思った。
    あえて残念なところをあげると、アグネスへの気持ちが友情から恋に変わる過程が雑に描かれているところ。他のディケンズ作品もそうだけど、恋愛描写は下手だと思う。

  • 久々読み返しました。小学生の時読んだものは素晴らしい挿絵があり、デイヴィッドも、ハムも、ユライアもその挿絵のまま、でも新鮮な話としてよみがえりました。ああ、楽しい!不幸もあれば調子者のときもあるデイヴィッド。長いお付き合いになりそうです。

  • 決して俗に言うファンタジーでも、ヒーロー列伝でもありませんが、純朴な心で奢らず、周りに感謝しながら成長する姿こそ、真のヒーローなのかもしれません。読んでいると、「デイヴィー~、お前はいい奴だよぉ~」と共感したくなりますよ。
    子供の視点であったり、危機に直面した人間の心など、これぞ!という描写がふんだんに盛り込まれております。
    読み終えて、また読みたいと思える本です。

  • 私にとってのディケンズ3作目。ディケンズの自伝的小説だという。幼いころのみじめで悲しい思い出を描写しながらも、悲壮さよりも客観的にコミカルに描き子供の心移りを軽やかに描ききった手腕に脱帽。心苦しい思い出の中にも、愛すべき人々がいて、その人たちとの関わりの中に環境以上の価値を生み出し生きているコパフィールド少年が何とも愛おしい。かなりの長編だが、読み進めることに苦痛が無く、続きが気になってしょうがない。

    11/10/27

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著者プロフィール

Charles Dickens 1812-70
イギリスの国民的作家。24歳のときに書いた最初の長編小説『ピクウィック・クラブ』が大成功を収め、一躍流行作家になる。月刊分冊または月刊誌・週刊誌への連載で15編の長編小説を執筆する傍ら、雑誌の経営・編集、慈善事業への参加、アマチュア演劇の上演、自作の公開朗読など多面的・精力的に活動した。代表作に『オリヴァー・トゥイスト』、『クリスマス・キャロル』、『デイヴィッド・コパフィールド』、『荒涼館』、『二都物語』、『大いなる遺産』など。

「2019年 『ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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