- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003253366
感想・レビュー・書評
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クライマックスに近づきつつある6巻
緊迫感とスピード感がさらに加速し、さらには予想外の意外なストーリーが展開していく
(ハイ、興奮しております)
モンテ・クリスト伯ことダンテスの隣人であったカドルッス
軽率で浅はかな隣人であったが、当初はそこまで悪党ではなかったはずだ
それでもダンテスを裏切ったことには間違いない
モンテ・クリスト伯はブゾーニ司祭になりすまし何度かカドルッスに情けをかけチャンスを与えるが、欲深さが増していきとうとうホンモノの悪党に
そのカドルッスの最期
モンテ・クリスト伯は自分の正体を明かす
モンテ・クリスト伯の憎しみと情けと哀しみが溢れる
彼は言う「これで一人」
そうまずは一人目の目的を達したのだ
アルベールの父であるフランツことモルセール伯爵
エデの父アリ・テブランを裏切ったことにより、地位と財産までを手に入れたことが、ある者の告発により新聞に投稿される
すっとぼけようとするモルセール伯爵の前にエデが登場し、力強く真実を語る
ショックを受けるアルベールは気が動転しながらも、この経緯に至ったのは誰の差し金か探り、とうとうモンテ・クリスト伯にたどり着く
あれほどに慕っていたモンテ・クリスト伯に決闘を挑む
これを影で見ていた母メルセデスはモンテ・クリスト伯の元へ
そしてはじめからエドモン・ダンテスであることがわかっていたという!(えーそうだったの⁉︎)
そして息子の命を助けてほしいとひざまづいて哀願するのだが…
動揺しまくるモンテ・クリスト伯
二人の過去からの苦しみが溢れ出す中、メルセデスの心からの説得が続き、とうとう打ち負かされる
今までモンテ・クリスト伯と化してから、描かれなかった彼の心情が滝の如く溢れ出す
〜あれほどの時をかけて準備した計画、あれほどの苦労と心づかいで築き上げた計画がわずか一言、わずか一息で、一挙にして、崩れ去ってしまおうとは!………〜
語られることがなかっただけに、このほとばしる心の叫びが読者の胸を貫く
モンテ・クリスト伯はアルベールを助けるということは自分の死を意味すると覚悟し、遺言状の作成にかかる
しかしここで死を覚悟した彼はエデに対する愛情に気づく
「おれはまだ幸福になれたのに!」
(ううっ、よかったねよかったね!)
いよいよ決闘の時
アルベールは彼の友人らの前で母メルセデスから聞いた父親のモンテ・クリスト伯に対する裏切りの真実を語り出す
そして彼は謝罪し決闘を取りやめる
そうメルセデスの高貴な心により息子を納得させたのだ
アルベールは自分の家の秘密をさらけ出し、父親を思う心を殺し、メルセデスは決闘を回避させどちらかが落としたであろう命を救ったのだ
モンテ・クリスト伯は「神の摂理だ!自分は神から遣わされた」と確信を持つ
そしてメルセデスとアルベール親子は父との訣別を決意し地位と財産を放棄し家を出る
フェルナンの最後もモンテ・クリスト伯がダンテスだと知り、さらに妻と息子から見放されたことを知り、絶望から自ら命を絶つ
一方ヴィルフォールの娘ヴァランティーヌ
どうも体に異変が起きている
どうやらサン・メラン侯爵夫妻と同じく毒薬に侵されつつあるのだ
しかしそれを察していた祖父ノワルティエ
密かにヴァランティーヌ体に毒の免疫を施しておくのだ
ヴァランティーヌの容体に不安を隠せなくなったマクシミリヤン
モンテ・クリスト伯にヴァランティーヌを愛していることを告白し、助けを懇願
モンテ・クリスト伯はショックを隠しきれない
自分の最大の宿敵の娘と最高の恩人である父親の息子が愛し合っているとは
しかしここでモンテ・クリスト伯はマクシミリヤンへの息子にも似た愛情が打ち勝つことに
ダングラールの娘ユージャニーとアンドレアに扮したベネデットの婚約契約書署名の日
アンドレアの罪が暴露され、警官が乗り込んでくる
ベネデットは逃亡
(あら?結婚までさせてどうにもならないところに行くのかと思いきや…)
このどさくさに紛れユージャニーと彼女の女音楽教師は二人で家を出る
この2人とベネデットが皮肉にも再会
ベネデットは捕まり、ユージャニーらはまた逃げる
ここにきて大きな局面を迎え物語が急速に動き出す
意外な展開に驚いたが、メルセデスの深い愛情、モンテ・クリスト伯の心の叫び、エデに対する愛の気付き
なかなか感動的な場面が多い
モンテ・クリスト伯に扮してからダンテスはもういない…さらに彼の心は硬く閉ざされ、読者にさえ見る隙間与えなかったのだが…
クライマックスが近づき、ダンテスの心から血潮のように溢れる感情が激しく伝わる
この効果的な見事な演出にアッパレである
そしてまんまとやられておりますワタクシ(笑)
残すところ最後の1巻
モンテ・クリスト伯の最後なんて知りたくないなぁ…
なんかバットマンみたいな感じになってきた…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いよいよ復讐劇の幕開けとなる六巻。
何を書いてもネタバレになるからとりあえず感想だけ。
めちゃくちゃおもしろい。
以上です。
詳しい感想は次巻まとめて。 -
復讐の第六巻!
カドルッス、フェルナンに復讐の槌が振り下ろされる。
メルセデスとアルベールの選択は?
ヴィルフォール家の毒殺の手がヴァランティーヌに。
苦悩するマクシミリアンのとった行動は?
そして、ダングラール家にも・・・。
破滅の道を転げ落ちたカドルッスの憐れさ。
その死すら復讐の手駒の一つになってしまうとは。
フェルナンは・・・ずっとエドモンの影に脅かされて
いたのじゃないかな?それが現実に現れたことの恐怖、
妻と息子に去られた絶望。これまた憐れです。
また、この巻では、メルセデスの言動と行動、
マクシミリアンの告白、エデの愛に心乱される
モンテ・クリスト伯の姿が印象的でした。
終盤は、ダングラール家が舞台に。
第一巻のエドモンの婚約披露での出来事が彷彿されます。 -
モンテクリスト伯の復讐が次々となされ
て行く様がスリリングで面白い。
アルベールとの決闘事件はどうなる事かと
思ったが、元恋人のメルセデスの計らいで
事なきを得た。
フェルナンの悪事の発覚からの自殺、ダングラールの娘の出奔。
モンテクリスト伯の復讐は隙のない完璧な
復讐だ。
いよいよ最終話、ヴォフールへの最後の復讐は
どの様に成されるのかハラハラする。