戦争と平和 2 (岩波文庫 赤 618-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (572ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003261828

感想・レビュー・書評

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  • この2巻では、主要なキャラクター3名、ピエール、アレドレイ、ニコライにそれぞれ試練が訪れる。

    特に本書の後半で行われるアンドレイとピエールとの「人生の意味」ついての議論は本巻のクライマックスだ。

    アンドレイは、アウステリッツでのナポレオン軍との戦闘で重傷を負って帰郷、さらに追い打ちをかけるように出産時に最愛の妻リーザを亡くし、軍での出世も人生への希望も失ってしまう。一方、妻エレナとの関係の悪化により、人生に絶望していたピエールは、秘密結社フリーメーソン(!)に入会したことにより再び人生の希望を見いだしていた。

    この二人の議論は突き詰めれば「人生とは、善か悪か」ということであり、著者レフ・トルストイが人間の生きる意味をピエールとアンドレイとのやりとりを通して、深く読者に問いかけてくる。

    この『戦争と平和』が上梓されたのが1869年(日本で言えば、明治維新の翌年)、今からちょうど150年前だが、「人生とはなにか?」と人生に悩む人々の苦悩は150年前でも今でも全く変わりないのだ。

  •  少しずつ話が動いてきて、歴史上の出来事も、話の中に絡んでくる。ピエールよりも、アンドレイの方が波乱万丈な人生のような気がする。

  • 1巻と同じく相変わらず戦史ものとして読むとしたら物足りない。前半はアウステルリッツ戦なのだが、全く戦いの進展も両軍の作戦も分からないうちにどちらが勝ったかもよく分からず終わってしまう。
    しかしながら、1巻よりロシア文学(トルストイ?)特有のどろどろとした人間の内面を描くという部分は面白くなってきている。人間の多面性を描くという点では、俊逸だと思う。所詮人間一人が知りえることは自分の周りのことだけであり、周りのことを意図的に作られてしまうと真実は分からないという当たり前のことが上手く描かれている。ロシア人のしたたかさ、当時の皇帝に対するロシア人の憧憬が良く分かる。

  • ニコライやアンドレイが一旦家に帰って、彼らの家の話が展開されたりするのでまだ話についていけた。最後に、ロシアとフランスが講和していて、アレクサンドルとナポレオンが勲章を交換しあっているの、世界史を知らないからか急展開で、何があった?って驚き。ニコライを一途に愛しているソーニャが良い。

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18412

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA75063276

  • アウステルリッツの戦いで、戦争の描写に移る。

    血気盛んで、祖国のために戦うという盲信さは当時の人々がそうあったのかと想像させられた。

    ベズーホフ伯爵となったピエールを取り巻く、財産目当ての謀略と裏切り、そして地位と財産という当人と分離して見える価値観に翻弄される様に、滑稽さと哀れな感覚を覚えた。

  • 第二部第二篇まで。

    巨額の遺産を相続したピエールの結婚と破綻と決闘。フリーメイソン加入。
    アンドレイのアウステルリッツ参戦と負傷。

  • 濃い、おもしろい

  • 読書日:2017年11月2日-11月16日.
    Original title:Война и мир.
    Author:Лев Николаевич Толстой.
    一番の感動所は、家族からは戦死したと思われていたАндрей(Andrey)が家族の元に戻ってきた場面です。
    しかしこの喜びも長くは続きません。
    彼の妻であるLisaは息子を出産後間も無く亡くなります。
    Андрейが戦地から家に戻った日でもあるのに何故この日にと悶々とした気持ちで読み続けました。

    場面は代わりПётр(Pierre)はFreemasonryに加入しました。
    貴族的な廃退した生活から身分に関わらず人々の助けとなる事を行いたかった彼の行動は、
    彼の領民で地位がある者からは見下されているので、
    いつかは彼がその事に気付き、彼等に対し然るべき措置を取って欲しいものです。

    それからАлександр I(Aleksandr I)とNapoléon Bonaparteと会談の様子も
    心動かされる物があり、歴史の一端を見ている感じを受けます。
    Александр Iは年若い皇帝なので今後の成長が楽しみです。

  • 人間のちょっとした無意識的動作や表情に対するトルストイ先生の描写は繊細かつ新鮮。人間の本質は100年単位ではそうそう変わらないんだな、と思うこと多々。
    偉大な群像劇を通勤途中のチョイ読みで読み続けていくのは勿体無いので残りは夏休み中に纏めて読もうかな。

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著者プロフィール

一八二八年生まれ。一九一〇年没。一九世紀ロシア文学を代表する作家。「戦争と平和」「アンナ=カレーニナ」等の長編小説を発表。道徳的人道主義を説き、日本文学にも武者小路実らを通して多大な影響を与える。

「2004年 『新版 人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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