蘭学事始 (岩波文庫 青 20-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003302019

感想・レビュー・書評

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  • 1959年刊行。江戸時代、オランダ医学書ターヘル・アナトミア(ただし、これは正しい名称ではないらしい)を翻訳した杉田玄白の自叙伝。上は、解体新書作成裏話、下は、杉田玄白から見た同時代の医師・蘭学者(前野良沢、大槻玄沢、桂川甫周、宇田川玄随ら)の足跡を素描したもの。個人的には「上」が面白いし、翻訳に情熱を傾ける関係者の息吹が感じられる。また、注釈を読むと色々な事情(解体新書よりも先に翻訳された解剖図がある。ただし、緻密なものではないため後学には適さなかった。外)が説明され、参考になる。

  • 新書文庫

  • 福沢諭吉が泣いたのも理解できる翻訳の難しさ。轡十文字を書き重ねた杉田らの上に現在の和訳がある。

  • 東大京大教授が薦めるリスト100選抜


    No.81

  • ブックオフ池袋、¥200.

  • 予想に反してすげー面白かったわっ。
    志あるものが出会い、一から蘭学書を訳すという大事業に没頭する様は、こないだ読んだ天地明察に似た興奮がありましたな。
    登場人物も前野良沢はじめ平賀源内など聞いたことある人も多くて親しみわきましたい。
    注釈もなかなか丁寧でありました。

  • 本書は上之巻、下之巻の2巻で構成されるが、面白いのは断然上之巻。下之巻は後日談及び、その後の蘭学者列伝といった趣き。明和8(1771)年3月4日に千住骨ヶ原で「腑分」(人体解剖)が行われ、玄白や良沢等がこれを見学。持参した『ターヘルアナトミア』の図と全く同じであることに驚嘆。翌日から翻訳にかかるが、「わずか一二寸ばかりの文章、一行も解し得ることならぬ」状態から、ついに3年半後『解体新書』を上梓するまでの苦難をその43年後に、に83歳の玄白が回想する。途中には平賀源内のエピソードなどもあり、大いに楽しめる。

  •  
    ── 杉田 玄白/緒方 富雄・訳《蘭学事始 198203‥ 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/400330201X
    …… 杉田 玄白《蘭学事始 1815 1869‥‥ 東京》大槻 玄沢・宛
     
    (20121208)(20231126)
     

  • 感動する。それは未知の世界を解き明かす執念があるから。

  • 杉田玄白らが「ターヘル アナトミア」を翻訳した顛末を玄白本人が記した日記というか記録というか読物です。

    この一事は小学生でも習うような有名な出来事ですが、歴史の単なる1コマとして簡単に流してしまうには勿体ない事がこの本を読めばよくわかります。

    この一事が如何に無謀なチャレンジだったのか!
    どれだけの絶望からチャレンジしなくてはいけなかったのか!
    福沢諭吉が読む度に何度も涙した、というエピソードからもよくわかります。
    こういった人たちが日本人にいたという事実は誇りですし、知っておくべきだと思います。

    そしてせっかく母国語でこんな素晴らしい足跡に触れる事ができるのですから、なるべく原文に近い形で読む事をお勧めします。
    そういった点でもこの岩波文庫版は良いのではないでしょうか。

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