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- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003310243
作品紹介・あらすじ
「一身独立して一国独立す」は、福沢の基本理念をあらわす有名な言葉である。その一身を独立させるための啓蒙と教育に彼の生涯は捧げられた。政治と教育の関係、道徳教育のあり方、学校経営の方針から教科書の検定等々にいたるまで、福沢の提起した諸問題とその主張は、今日なおわれわれに示唆を与えずにはおかない。
感想・レビュー・書評
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日本の稀代の思想家の教育理念が詰まった一冊。
根底にあるのは、「一身独立して一国独立す。」という有名な文句。これを実現するための手段が多様な角度から描かれる。
たとえば教科書の編纂に国が関わってしまうと、偏見に満ちたものになってしまう。学者等の自由にしたところで、世間の人は案外眼識乏しからず、適当に選定するだろう。
とか、
政治と教育は分離すべきだ、教育は政治と違って、10年20年で効果が出るものなんだから。
とか、現在も変わらない、いやむしろ最近ホットな話題について、今でも全く色褪せない論調で書いている。
現代的なトピックについて、100年以上前の先人の考え方を知ることができて、“本ってなんて素晴らしいんだろう”と、教育とは全く関係ないところで感動を覚えた本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かくの如きはすなわち、日耳曼の人民は隣人の貧困をみて愉快を覚ゆる者ならん。けだし今の世界各国の人民は、自から安楽を知りて他の不幸を知らざる者なり。一国内形体の安全を求めて、国外の安全に愉快を覚ゆるの精神に乏しき者なり。すなわち国の教育の未だ上達せざるものといいて可なり。
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