イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003318515

感想・レビュー・書評

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  • 予備知識が無かったが読みやすかった。もちろん専門用語は多いし哲学の話も入ってくるが、都度必要なだけ説明があったのが良かった。
    『脱常識の社会学』に引き続き、講演を書籍化したものは良著が多いなというイメージ。

  • 二十数年前と同じく、読むには読んだが、理解は出来ていない。

  • NDC167
    「イスラーム文化を真にイスラーム的ならしめているものは何か。―著者はイスラームの宗教について説くことからはじめ、その実現としての法と倫理におよび、さらにそれらを支える基盤の中にいわば顕教的なものと密教的なものとの激しいせめぎ合いを認め、イスラーム文化の根元に迫ろうとする。世界的な権威による第一級の啓蒙書。」

    目次
    1 宗教
    2 法と倫理
    3 内面への道

  • 《良かった点》
    ▼ 本質のみ抽出
    イスラームをイスラームたらしめている本質のみに焦点を当てている。

    《学んだこと》
    ▼ イスラームの絶対性
    唯一神、絶対的一神教
    コーランがすべて→イスラーム共同体
    コーラン=法の絶対性

    ▼ シーア派とは
    内面主義
    超現実主義
    コーランに書かれているのは形式にすぎず、その内面に真の意味が隠れている

    《これからの行動指針》
    ▼ 多層性を認識
    イスラームを一言でくくったり単一化するのではなく、多様な要素が複雑に絡み合っていることを前提に、複眼的に捉える。

  • 図書館で借りた。
    イスラム学者が書く、イスラーム文化とはを文庫で短くまとめた本。イスラム教と簡単に言うが、それはどんな世界観なのかを学べる。講演を聞く感覚で通勤時に読み終えた。
    私にとってはある程度他の本などでイスラムに関する知識の下積みは得ていたつもり、その上で深掘り・深みを得るには丁度良かった感触。満足。

    「予言者」と「預言者」の違いはハッとさせられた。
    イスラムとムスリムは同じ語源で、語形変化であるというのは知らなかったので驚き。

  • 非常に読みやすい

  • 第14回アワヒニビブリオバトル「根」で紹介された本です。
    2016.06.07

  • 一昔前のビジネスマン?向けの公演の内容ということらしい。
    堅苦しさはなく、読みやすい。
    一宗教としてでなく、文化そのものを包含し吸収と発展を遂げてきたイスラームと、イスラームを育てた中近東について体系的に知ることができる。
    イスラームとはなんぞや、という入門にはうってつけの本と言えるだろう。
    詳しいことは他の本を読む必要があるが、読みやすさと幅広さをして良書と言える。

  • イスラーム文化を、真にイスラーム的ならしめているものとは何か。今や世界動向を左右するほどの力を持つこの宗教の根源に、イスラーム研究の第一人者が迫った書籍。

    イスラームは、アラビアの商人であった預言者ムハンマドが興した宗教で、商業取引における契約の重要性を意識している。すなわち、イスラームは商売人の宗教といえる。

    神の啓示を受けたムハンマドは、その神の言葉を記録した。それが聖典『コーラン』である。ここに書かれた言葉を解釈するのは人間であり、理解の仕方や解釈は人によって様々だ。この自由性が、イスラーム文化の多様性の源となっている。

    イスラームという宗教は、聖と俗の領域を区別しない。神聖な領域のみならず、人間の日常生活のあらゆるところにまで、宗教が関わってくる。この点において、教会と世俗国家とを明確に区分するキリスト教とは大いに異なる。

    イスラームの神「アッラー」は、キリスト教の神と同じ人格神である。キリスト教では、神と人との間に親子のような親しさがあるが、アッラーと人との間にそうした親密さはない。神は絶対的権力をもつ支配者で、人間はその奴隷である。

    イスラームにおいて、宗教と法は密接に結びついている。善悪は神の意志によって決まり、それは法という形で人間に課される。すなわち、人が正しく行動し、生きるためには、『コーラン』を読み、神の意志を知らなければならない。

    イスラーム法は、宗教的儀礼の規則や民法、商法、刑法はもちろんのこと、人々が日常生活においてなすべきこと、なさねばならないことまで細かく規定している。信者は、法を意識することなしに、日常生活を送ることができない。

  • イスラム教の根本背景を知ることが出来た。かなりの良書だと思う。

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著者プロフィール

1914年、東京都生まれ。1949年、慶應義塾大学文学部で講義「言語学概論」を開始、他にもギリシャ語、ギリシャ哲学、ロシア文学などの授業を担当した。『アラビア思想史』『神秘哲学』や『コーラン』の翻訳、英文処女著作Language and Magic などを発表。
 1959年から海外に拠点を移しマギル大学やイラン王立哲学アカデミーで研究に従事、エラノス会議などで精力的に講演活動も行った。この時期は英文で研究書の執筆に専念し、God and Man in the Koran, The Concept of Belief in Islamic Theology, Sufism and Taoism などを刊行。
 1979年、日本に帰国してからは、日本語による著作や論文の執筆に勤しみ、『イスラーム文化』『意識と本質』などの代表作を発表した。93年、死去。『井筒俊彦全集』(全12巻、別巻1、2013年-2016年)。

「2019年 『スーフィズムと老荘思想 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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