- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003346617
感想・レビュー・書評
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4〜5
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著者が日本に滞在したころの昭和3年から昭和11年にかけての日本と日本人への想いを綴ったものであるが、戦時色がほとんど感じられなかったのは奇異な感じを受けた。まだこのころはそんなに人々の生活は窮乏していなかったのであろうか。それにしても著者が感心したこととして、日本ではいつでも子どもが第一であることと老人には気品があること、それからひじょうに謙虚で、慎み深いふるまいや言葉遣いが身についていることをあげています。いまの私たちの周りを眺めまわしてみますと、隔世の感があります。
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日本に、開国を迫り、上陸した外国の皆様方が驚いたことは二つ。
まず、一つ目は日本人がとてもとても子供を可愛がっていること。
つねにおんぶしたり、抱っこしたり、あやしたりと言うのが
不思議に思えるほどだったとか。
そして、いま一つは、性病を全然恥ずかしいと思わず、
気にしていなかったこと、だそうで…。
いや~、ご先祖が、色々、すみませんねえ。
はい、そしてこの本にも日本人は子供をとても可愛がると
羨ましがって、憧れを持って書いてあります。
(性病云々の記述はございませんが、
きっとペリー様以降、沢山の皆様のご尽力、
啓蒙活動が功を奏したのでございましょうね。)
こちらのエッセイは、時代は1928年から10年ほど、
外交官である夫について日本にやってきた女性が、
日本での暮らしはこんなだよと、自分の国(イギリス)のみんなに
お知らせする気持ちで書かれたもの。
日本人は自然から栄養をもらっている、
お金を持っている、持っていないに関係なく皆美意識が高い、
優しくて、陽気で冗談が好き、
美しいものを見逃さない、
女性はだいたい皆優雅、
風呂敷と言う素晴らしいものがある、
手先が器用で…
などなど、
「はあ~、そうですか、自分たちでは普通に思っていることも、
よその人がご覧になるとそうなんですねえ…」
読んでいて鼻高々、気分がどんどん上向いてくる。
時折「顔が大きくて、足が曲がっている日本人に
こういう格好は似あわないけれど…」とかいう記述は
「ふーん、ねぇ、昔、昔はねえ!
確かに日本人もそんな感じだったらしいですねえ~」
と、急に白けて他所事のような態度で対応。
(きっと今でも西洋の方々からご覧になれば
あまりかわりはないのかも知れませんねえ)
あれもこれも小さな子供のような心で
素直にキョロキョロ、
日本と言う国をみて、楽しんで、好きになってくれた
キャサリンさん。
おかげで自分が生まれた、育ったこの国が
ますます好きになる一冊。 -
戦前の日本人の暮らしぶりの一端がわかる。電車の中で居眠りするなど、実は日本人は戦前からあまり変わっていないのがわかって面白い。
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1928~1936といっても日本人はほとんどかわっていない。となると、外国人もそういうことになる。風土が人間性を作りあげるのか、とても興味深く読ませてもらった。
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イギリスの外交官夫人だったキャサリン・サンソムによる古き日本(タイトルにある年代)の滞在記というか見聞録。軽妙ながら鋭い考察、さすがユーモアにみちた内容で、当時の人々の暮らしぶりや様子がほのぼのと伝わり、面白い。洒脱な挿絵も楽しめます。お薦め。
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昭和初期のイギリス外交官夫人の目から見た日本見聞録。「東京での暮らしはどういうものですか」という友人や親戚の問いに答えるつもりで書いたというだけあって当時の市井の暮らしが細かく書かれている。好意的に書かれた中、彼女が指摘する日本人の欠点は鋭い。