インカ帝国地誌 (岩波文庫 青 488-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (632ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003348826

作品紹介・あらすじ

一兵士として現地に滞在したシエサが九年の歳月を費やして完成した「アンデス百科」ともいうべき大著『ペルー記』の第一部。コロンビアからチリに至る地域の自然、人文、特に民族誌を収録。旧インカ帝国の高度に洗練された文化を驚嘆しつつ記録している。

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/706902

  • ●構成
    (略)
    --
     いわゆるインカ(クワンティンスーユ)は、14世紀半ばにスペインによって滅ぼされ植民地化された、当時のペルー、現在のエクアドル・ペルー・ボリビアなどを範囲とする、南北に長大な地域を2世紀余り統治した。スペイン人はかつてのインカの領域を、武力によって屈服させ支配下においた。
     スペインによる支配の開始から程なくしてこの地に着いたシエサ・デ・レオンは、はじめコロンビア、ついでペルーで、一兵士として任に当たった。その際に見聞した様々な事柄と、さらにインフォーマントを通じて得られた事柄を併せ、4部に及ぶ膨大な『ペルー記』を記した。その記述は、1541年~1550年までのインカの記録であり、本書はその第1部である。
     本書は地誌および民俗誌として、街の位置や互いの距離、天候、植生、産物、民俗、生活、葬送儀礼、治世の様子など、非常に広範囲にわたって書かれている。その際、支配者側であるスペインに対しても「エスパニャ人たちがこれらインディオたちに加えた圧迫、殺戮、虐殺を承認しない」(p.352)と記しているように、単なる植民主義的言説にとどまらない公正中立な立場を貫いている。とはいえ、熱心なキリスト教信者であるヨーロッパ人に当然の特徴である、偶像崇拝やキリスト教に違背する習慣については、キリスト教的価値観をもって厳しく記している。
     インカに関する、西洋人として最も初期の記録であり、史料的にも重要な文献である。
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    【図書館】

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